刑法 第211問
教材: 刑法②
司法試験 H21 第20問(改)
論点: 処断刑
問題
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【事例】
I. 甲は、コンビニエンスストアでおにぎり1個(時価150円相当)を窃取したが、甲の犯行を目撃して追いかけてきた店員乙に対し、同人に捕まえられるのを免れる目的で、反抗を抑圧するに至らない程度の暴行を加えて加療1週間を要する傷害を負わせた。
II. 甲は、乙から金品を強取しようと企て、乙に対し、反抗を抑圧するに至らない程度の暴行を加えて加療2週間を要する傷害を負わせ、畏怖した同人から現金1万円を喝取した。
III. 甲は、乙から金品を強取しようと企て、無施錠の玄関から同人方に立ち入り、同人所有の現金1万円を窃取し、その直後に帰宅した乙に対し暴行を加えてその反抗を抑圧した上、同人から現金3万円を強取した。
【記述】
ア. 【事例】Iでは、甲を拘禁刑22年に処することができる。
イ. 【事例】IIでは、甲を拘禁刑20年に処することができる。
ウ. 【事例】IIIでは、甲を拘禁刑23年に処することができる。
エ. 処断刑の上限が最も重いのは【事例】IIIである。
オ. 処断刑の上限が最も軽いのは【事例】IIである。
公式解答
12221
正誤・解説
p1 /
【事例】Iでは、甲を拘禁刑22年に処することができる。
事例Iは窃盗・事後強盗致傷として扱われ、併合罪の長期計算でも上限30年を超えないため、22年の拘禁刑が可能とされている。
根拠条文:刑法12条第1項・e-Govで法令を開く刑法47条・e-Govで法令を開く刑法238条・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く刑法204条・e-Govで法令を開く刑法45条・e-Govで法令を開く
刑法12条第1項―現行条文本文
拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
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刑法47条―現行条文本文
第四十七条 (有期拘禁刑の加重)
併合罪のうちの二個以上の罪について有期拘禁刑に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
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刑法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
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刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法45条―現行条文本文
第四十五条 (併合罪)
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。
ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
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p2 /
【事例】IIでは、甲を拘禁刑20年に処することができる。
事例IIは恐喝罪と傷害罪の成立を前提に、最も重い罪で処断するため上限は15年以下となり、20年にはできないとされている。
根拠条文:刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法249条第1項・e-Govで法令を開く刑法204条・e-Govで法令を開く刑法12条第1項・e-Govで法令を開く
刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法249条第1項―現行条文本文
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法12条第1項―現行条文本文
拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
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p3 /
【事例】IIIでは、甲を拘禁刑23年に処することができる。
事例IIIは住居侵入罪・強盗罪が成立し、最も重い罪である強盗罪の法定刑を基準にすると処断刑上限は20年以下で、23年は不可とされる。
根拠条文:刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法130条・e-Govで法令を開く刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法12条第1項・e-Govで法令を開く
刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法12条第1項―現行条文本文
拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
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p4 /
処断刑の上限が最も重いのは【事例】IIIである。
各事例の処断刑上限は、Iが22年6月以下、IIが15年以下、IIIが20年以下と整理されるため、最も重いのはIであり、IIIではない。
根拠条文:刑法47条・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く
刑法47条―現行条文本文
第四十七条 (有期拘禁刑の加重)
併合罪のうちの二個以上の罪について有期拘禁刑に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。
ただし、それぞれの罪について定めた刑の長期の合計を超えることはできない。
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刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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p5 /
処断刑の上限が最も軽いのは【事例】IIである。
各事例の上限を比べると、IよりIIの上限が低く、IIIよりも低いので、最も軽いのはIIである。
根拠条文:刑法12条第1項・e-Govで法令を開く刑法14条第2項・e-Govで法令を開く
刑法12条第1項―現行条文本文
拘禁刑は、無期及び有期とし、有期拘禁刑は、一月以上二十年以下とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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刑法14条第2項―現行条文本文
有期拘禁刑を加重する場合においては三十年にまで上げることができ、これを減軽する場合においては一月未満に下げることができる。
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