刑法 第191問
教材: 刑法②
司法試験 H22 第16問(改)
論点: 罪数
問題
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公式解答
正解 / 1 / 3
正誤・解説
1 /
甲は、乙が丙の住居及び丁の住居に侵入することを決意しているのを知り、これに対し、侵入用具としてドライバー1本を貸与し、その翌日、乙はこれを利用して丙の住居及び丁の住居にそれぞれ侵入した。甲には、2個の住居侵入罪の従犯が成立し、両罪は観念的競合となる。
住居侵入は各住居ごとに個別の法益侵害として把握され、同一の用具を貸した支援行為でも、複数の侵入行為それぞれに対する幇助が成立しうる。判例はこの場合、幇助罪数は正犯に従って決まるとしている。
根拠条文:刑法45条・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法130条・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法45条―現行条文本文
第四十五条 (併合罪)
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。
ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
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刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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2 /
甲は、乙方から絵画を盗み、自宅に持ち帰ったが、その後売却先が見付からなかったため、その絵画を被り捨てた。甲には、窃盗罪と器物損壊罪が成立し、両罪は併合罪となる。
盗んだ財物の処分としての廃棄は、通常は窃盗に伴う事後処分にすぎず、器物損壊罪を別に構成しないとされる。判例も、財産犯の事後処分としては別罪を認めない方向で説明している。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法261条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法261条―現行条文本文
第二百六十一条 (器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
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3 /
甲は、自己が経営する店において、1週間のうちに、同店を訪れた複数の客に対し、いずれも同じ題名・内容のおいやつ電磁的記録媒体に該当するDVDを数回にわたって販売した。甲には、わいせつ電磁的記録媒体頒布罪の一罪が成立する。
同一内容のわいせつ記録媒体を、反復継続して多数人に販売する場合でも、判例は包括的一罪として処理している。販売行為が複数回でも、同一の犯罪意思の下で同種行為が反復されたものとして把握される。
根拠条文:刑法175条第1項・e-Govで法令を開く
刑法175条第1項―現行条文本文
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
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4 /
甲は、自己の運転する自動車を脇見運転により通行人乙に衝突させて同人を死亡させた上、慌ててその場から逃走しようとして安全確認を怠って自車をUターンさせたため、折から対向車線を走行してきた丙運転の自動車に自車を衝突させて同人に傷害を負わせた。甲には、過失運転致死罪と過失運転致傷罪が成立し、両罪は観念的競合となる。
前の致死と後の致傷は時間的・場所的に近接していても、各行為は独立して評価されるため、観念的競合にはならない。判例は、自動車事故が同一の行為かどうかを自然的観察で判断し、別個の過失行為なら併合関係とする。
根拠条文:刑法72条・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く
刑法72条―現行条文本文
第七十二条 (加重減軽の順序)
同時に刑を加重し、又は減軽するときは、次の順序による。
一 再犯加重
二 法律上の減軽
三 併合罪の加重
四 酌量減軽
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5 /
甲は、郵便局の窓口で、偽造された郵便貯金払戻請求書1通を、不正に入手した他人名義の貯金通帳とともに郵便局員乙に提出して貯金の払戻しを請求し、これを正当な払戻請求と誤信した乙から貯金の払戻しを受けた。甲には、詐欺罪の一罪のみが成立する。
偽造書類を行使して相手を誤信させ、財物交付を受ける場合は、偽造私文書等行使と詐欺とが成立しうる。判例は、委任状偽造と詐欺の関係につき、行使行為が詐欺の手段にとどまらないとして両罪成立を認めている。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法159条第1項・e-Govで法令を開く刑法161条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
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刑法161条第1項―現行条文本文
前二条の文書等又は電磁的記録文書等を行使した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、又は虚偽の記載若しくは記録をした者と同一の刑に処する。
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全体要旨
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