刑法 第190問
教材: 刑法②
司法試験 H20 第17問(改)
論点: 罪数論の具体例
問題
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公式解答
1
正誤・解説
1 /
甲は、乙を教唆して丙所有の骨董品を盗ませることを意図させ、乙にこれを実行させた後、同人が丙から盗んだ骨董品を買い受けた。甲には、窃盗教唆罪及び盗品等有償受罪が成立し、両罪は併合罪となる。
判例は、窃盗の教唆と、その後に盗品を買い受ける行為とは通常手段・結果の関係に立たず、併合罪になるとする。
根拠条文:刑法45条・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法235条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法256条第2項・e-Govで法令を開く
刑法45条―現行条文本文
第四十五条 (併合罪)
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。
ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
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刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法256条第2項―現行条文本文
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
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2 /
甲は、脇見しながら自動車を運転したため、自車前方で信号待ちのため停車していた乙運転の自動車に気付くのが遅れ、同車に自車を追突させ、その衝撃で乙運転の自動車を前方に押し出し、同車の前方に停車中の丙運転の自動車に追突させ、これにより乙が死亡し、丙は傷害を負った。甲には、乙に対する過失運転致死罪及び丙に対する過失運転致傷罪が成立し、両罪は併合罪となる。
このような一連の運転行為は、法的評価を捨象した自然的観察では一個の行為とみられ、乙・丙への結果は観念的競合となる。
根拠条文:刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法5条・e-Govで法令を開く
刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法5条―現行条文本文
第五条 (外国判決の効力)
外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。
ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。
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3 /
甲は、乙を殺害する目的で、乙の住居に侵入し、同住居内で乙を殺害した。甲には、住居侵入罪及び殺人罪が成立し、両罪は併合罪となる。
住居侵入と殺人が牽連関係にあり、刑法54条1項前段を適用して最も重い罪の刑で処断するとする判例立場である。
根拠条文:刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法130条・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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4 /
甲は、自宅で乙を殺害し、その死体を遠方の山林に埋めた。甲には、殺人罪及び死体遺棄罪が成立し、両罪は牽連犯となる。
判例は、殺人後に死体を遺棄する行為について、殺人行為とは別に死体遺棄罪が成立するとし、牽連犯として54条1項前段で処断する。
根拠条文:刑法54条第1項・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く刑法190条・e-Govで法令を開く
刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法190条―現行条文本文
第百九十条 (死体損壊等)
死体、遺骨、遺髪又は棺に納めてある物を損壊し、遺棄し、又は領得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。
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5 /
甲は、乙から同人名義のクレジットカードを窃取し、Aデパートにおいて、店員に対し、乙に成り済まして同クレジットカードを提示して商品の購入方を申し入れたが、同店員に盗難カードであることを見破られたため、商品を手に入れることができなかった。甲には、窃盗罪及び詐欺未遂罪が成立し、両罪は牽連犯となる。
盗用カードでの買物申込みは、窃盗に伴う事後処分ではなく別の財産犯的行為として評価され、窃盗と詐欺未遂は牽連犯ではない。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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