刑法 第182問
教材: 刑法②
司法試験 H28 第19問
論点: 共犯
問題
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公式解答
正解 / 2 / 5
正誤・解説
1 /
甲がAの殺害を乙に教唆したところ、乙はAの殺害を丙に教唆し、さらに、丙はAの殺害を丁に教唆し、丁がAを殺害した。甲には、殺人罪の教唆犯が成立する。
判例は、教唆関係が間接教唆の範囲にとどまらず、再間接教唆に及ぶ場合でも処罰を否定しない立場をとる。したがって、甲にも殺人罪の教唆犯が成立するとされる。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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2 /
乙は、路上で、Aの頭部を殴って転倒させ、Aに脳挫傷の傷害を負わせたが、その直後に駆けつけた甲は、Aが乙の暴行によって倒れて苦しんでいることを知り、Aの抵抗が困難になっている状態を利用してAに暴行を加えようと考え、乙と意思を通じ、代わる代わるAの腹部を蹴り、腹部に打撲傷の傷害を負わせた。甲には、脳挫傷の傷害についても乙との傷害罪の共同正犯が成立する。
後から加わった者は、自己の共謀・暴行によって新たに生じた傷害結果についてのみ責任を負う。先行する乙の暴行で既に生じていた脳挫傷まで、甲に共同正犯として帰責することはできない。
3 /
甲は、乙からAの殺害計画を打ち明けられたが、乙から毒薬の入手を依頼されたことから、毒薬を購入して乙に渡したが、乙は、毒薬での殺害計画を変更し、Aを包丁で刺して殺害した。甲には、殺人予備罪の共同正犯が成立する。
要するに、殺人のための準備行為に加担すれば予備罪の共同正犯が認められ得る。判例も、殺人目的を知りつつ毒物の入手を依頼されて入手・交付した者につき、予備罪の共同正犯を認める。
根拠条文:刑法201条・e-Govで法令を開く
刑法201条―現行条文本文
第二百一条 (予備)
第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
ただし、情状により、その刑を免除することができる。
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4 /
甲と乙は、A方に強盗に入ることを計画し、それぞれ包丁を持ってA方に侵入し、Aを包丁で脅した上、室内を物色していたところ、家人B、Cに犯行を目撃され、甲はBに捕まったが、乙は逮捕を免れるためCの腕を包丁で切り付けて傷害を負わせた。甲には、住居侵入罪のほか強盗致傷罪の共同正犯が成立する。
住居侵入と強盗については共同正犯が問題となり得るが、乙が逮捕免脱のためにCへ加えた傷害は、甲の共謀に基づく行為とはいえない。したがって、甲に強盗致傷罪の共同正犯までは成立しない。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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5 /
暴力団組員乙は、対立する暴力団組員Aを殺害することを決意し、誰にも犯行の決意を打ち明けることなく、小刀を持ってA方に向かったところ、その舎弟である甲は、この決意を察し、仮に乙がAから反撃されそうになった場合は、自分がAを殺害しようと考え、乙に何も告げることなく、拳銃を持ってA方付近に先回りして隠れていたが、乙は、玄関先に出てきたAを小刀で一突きして殺害した。甲には、乙の殺人罪の従犯が成立する。
従犯には、正犯の実行を精神的・物理的に助ける行為が必要である。甲は乙に告げず独自に待ち伏せしていただけで、乙の殺人実行を助けたとはいえないため、従犯は成立しない。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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