刑法 第183問
教材: 刑法②
司法試験 H25 第17問(改)
論点: 共同正犯・間接正犯
問題
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公式解答
4
正誤・解説
1 /
甲は、生活費欲しさから強盗を計画し、12歳の長男乙に対し、Vから現金を強奪するよう指示した。乙は、甲の指示に従い、Vに刃物を突き付けて現金を強取した。乙が是非善悪の判断能力を有していたか否か、甲の指示により意思を抑圧されていたか否かにかかわらず、甲には強盗罪の間接正犯が成立する。
解説は、乙が是非善悪の判断能力を有し、甲の指示が意思抑圧に足りない場合には、甲には間接正犯ではなく共同正犯が成立するとしている。したがって、本肢の「かかわらず、間接正犯が成立する」は誤り。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く刑法235条・e-Govで法令を開く刑法236条第1項・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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2 /
甲は、通常の判断能力がないVの殺害を計画し、Vに対し、首をつっでも仮死状態になるだけであり、必ず生き返るとだまして、Vに首をつらせて窒息死させた。甲には自殺関与罪が成立する。
解説は、通常の意思能力のない被害者をだまして自殺方法を教え、実際には殺害に至らせた事案では殺人罪に当たるとしている。したがって、本肢の自殺関与罪とする点は誤り。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法202条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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3 /
甲と乙とは、自分たちのことを日頃からばかにするVを懲らしめてやろうと思い、Vに傷害を負わせる旨共謀した。そして、甲と乙とは、それぞれ、Vに対し、日頃の恨みを言いながら、その身体を殴り付けた。Vが、これに応答して甲らを罵った。すると、乙は、Vの発言に腹を立て、殺意をもって、隠し持っていたナイフでVを刺し殺した。乙に殺人罪が成立する場合、甲には、Vに対する殺意がなくても殺人罪の共同正犯が成立する。
解説は、傷害致死と殺人では基本的な構成要件が異なり、傷害の共謀だけでは殺人の共同正犯は認められないとしている。したがって、本肢は誤り。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法204条・e-Govで法令を開く刑法205条・e-Govで法令を開く刑法38条第1項・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
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4 /
甲は、V宅に石を投げ付け窓ガラスを割り始めた。これをたまたま見た乙は、自分も窓ガラスを割りたいと思い、甲に気が付かれないよう、V宅に石を投げ付け、甲が割った窓ガラスとは別の窓ガラスを割った。甲と乙には器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
解説は、共同正犯には意思の連絡・共同行為の認識が必要で、各自が互いの行為を利用し合う関係があることが必要であるとする。甲に気付かれないよう別個に割った本肢では、その連絡がなく共同正犯は成立しない。
根拠条文:刑法261条・e-Govで法令を開く刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法261条―現行条文本文
第二百六十一条 (器物損壊等)
前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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5 /
女性である甲は、甲の男友達である乙との間で、乙がVを暴行を用いて性交する旨共謀した。その後、甲がVを誘い出してVの体を押さえ付け、乙が暴行を用いて性交した。乙に不同意性交等罪が成立する場合でも、甲には不同意性交等罪の共同正犯は成立しない。
解説は、不同意性交等罪についても、暴行等の一部を分担し全員で犯行を実現した場合には共同正犯が成立し得るとしている。甲が被害者を押さえ付けるなど実行に関与している以上、共同正犯は成立し得るため、本肢は誤り。
根拠条文:刑法177条第1項・e-Govで法令を開く刑法176条第1項第1号・e-Govで法令を開く
刑法177条第1項―現行条文本文
前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法176条第1項第1号―現行条文本文
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
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全体要旨
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