刑法 第179問
教材: 刑法②
司法試験 H24 第2問
論点: 共犯の区別
問題
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公式解答
12311
正誤・解説
p1 /
甲は、甲の所属する暴力団事務所にVを連行し、同事務所においてVを連行し、3日間、Vを逃走できないように見張って監禁し、その後、同じ暴力団に所属する乙に対し「お前が俺に代わって見張れ。」と言った。乙は、これを了承し、4日目から前記事務所においてVを逃走できないように見張って監禁した。5日目に乙が居眠りをした隙に、Vは、前記事務所の窓から外に飛び降りて逃げ出したが、飛び降りた際、右足首を骨折した。(監禁致傷)
判例の共同正犯論により、事前の打合せがなくても共同実行の認識と相互利用があれば共同正犯になり得る。監禁中に乙が監禁を継続し、その後の傷害も共謀の範囲であれば、甲も監禁致傷の共同正犯となる。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p2 /
甲は、乙が自宅で賭博場を開張して利益を得ていることを知り、その役に立とうと考え、乙に連絡することなく、乙の開張する賭博場にA及びBを誘引し、賭博をさせた。(賭博場開張図利)
賭博場開張図利では、開張者の賭博を助ける意思があり、賭博者を誘引するなどして実行を容易にすれば幇助になり得る。甲は乙に連絡せずとも、乙の図利行為を助けたとして幇助犯が成立する。
根拠条文:刑法186条第2項・e-Govで法令を開く
刑法186条第2項―現行条文本文
賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、常日頃暴行を加えて自らの意のままに従わせていた実子の乙(13歳)に対し、Vが管理するさい銭箱から現金を盗んでくるように命じ、乙は、是非善悪の識別能力及び識別に従って行動を制御する能力を有していたが、甲の命令に従わなければまた暴力を振るわれると畏怖し、意思を抑圧された状態で、前記さい銭箱から現金を盗んだ。(窃盗罪)
被告人が被支配者の意思を抑圧して利用し、行為の主体として背後で支配している場合は間接正犯となる。乙に責任能力・識別能力があっても、強い支配下で窃取させた以上、甲には窃盗の間接正犯が成立する。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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p4 /
甲は、知人Aから、交際相手であるVを殺害したいので青酸カリを入手してほしいと依頼され、自らもVに恨みを抱いていたことから、青酸カリを準備して乙に交付した。乙は、甲から青酸カリを受領した後、実行行為に出る前にV殺害を思いとどまり、警察署に出頭した。(殺人予備罪)
殺人予備では、予備行為をする者に予備の故意があれば足りる。甲は自ら殺意を有し、青酸カリを準備して交付しているので、乙が実行に移さなくても甲に殺人予備の共同正犯が成立する。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法201条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法201条―現行条文本文
第二百一条 (予備)
第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
ただし、情状により、その刑を免除することができる。
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p5 /
甲は、乙から、乙がV方に強盗に入る際に外で見張りをしてほしいと頼まれ、利益を折半する約束でこれを承諾し、乙と共にV方に赴いた。甲がV方の外で見張りをしている間に、乙はV方に侵入した。その後、甲は、不安になり、携帯電話で乙に「やっぱり嫌だ。俺は逃げる。」と告げた上、その場から逃走した。乙は、甲の逃走を認識した後、V方内にいたVを発見し、同人に包丁を突き付けてその反抗を抑圧した上、現金を強取した。(強盗罪)
共同正犯は共同実行の意思と機能的行為支配が重要で、途中離脱があっても共犯関係が解消されないことがある。甲は見張りとして現場に関与し、乙の強盗実行と結びついているので、強盗の共同正犯が成立する。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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