刑法 第178問
教材: 刑法②
司法試験 H22 第5問
論点: 従犯と共同正犯の成否
問題
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【事例】
甲は、人通りの少ない道路を通行中、知人の乙が見知らぬ丙を「金を出せ。」と言いながらロープで縛り上げ、丙を道路脇の草むらの中に連れ込むのを偶然目撃した。
公式解答
22211
正誤・解説
p1 /
甲が、草むらをのぞくと、乙が丙の上着のポケットを探って所持金を奪おうとしていた。甲は、後で乙から口止め料をもらおうと考え、あえて何もせずにその場から立ち去った。これは、甲にのぞかれたことに気付いたまま、丙の所持金を奪った。(強盗罪の従犯)
単に現場を見て何もしなかっただけでは、強盗の実行を容易にする「幇助」や、その旨の認識があるとはいえない。よって、強盗罪の従犯は成立しない。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法60条・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p2 /
甲が、乙が立ち去ったのを見届けた後に草むらの中に入ったところ、丙が縛られたままでいたので、甲は、丙が身に付けていた腕時計を奪った。(強盗罪の共同正犯)
共同正犯には共同実行の認識・意思が必要だが、甲乙間にそのような意思連絡が認められない。甲が後から単独で奪ったにすぎず、共同正犯は成立しない。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法60条・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p3 /
甲は、警察官が近付いてきたので、そのことを乙に知らせるために草むらに行ったところ、丙から奪った現金を着衣のポケットにしまった乙が、草むらから出ようとしていた。甲が乙を草むら内に押し戻して警察官をやり過ごしたため、乙の犯行はその場で発覚せずに済んだ。(強盗罪の従犯)
従犯は正犯の実行行為を「幇助」することが必要だが、ここでは乙が現金をしまった時点で実行行為は完了している。よって、その後に警察をやり過ごしても幇助にはならない。
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暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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第六十条 (共同正犯)
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正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p4 /
甲は、草むらの中に入り、同所で、丙の所持金を奪って山分けすることを乙と合意した。その上で、乙が緩んでいたロープをきつく縛り直した後、甲は、丙の所持金をその上着のポケットから奪った。(強盗罪の共同正犯)
甲乙が事前に山分けの合意をし、乙が一方で拘束を維持し、甲が金品を奪うという形で相互に役割分担して実行している。共同実行の認識があるため共同正犯が成立する。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法60条・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p5 /
甲が、草むらをのぞくと、乙が丙の上着のポケットを探って所持金を奪おうとしていた。甲が、乙に気付かれることなく草むらから道路に戻ろうとしたところ、付近住民の丁が、野草摘みのため草むらに入ろうとしていた。甲が、後で乙から分け前を得るため、丁に「スズメバチの巣があるから危ない。」と嘘を言って丁を追い払ったため、その間に乙は丙の所持金を奪うことができた。(強盗罪の従犯)
乙の強盗を継続させるために第三者を虚偽で排除し、実行を容易にしているので幇助行為といえる。甲には正犯を認識しつつその行為を助ける意思もあるから、従犯が成立する。
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暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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