刑法 第177問
教材: 刑法②
司法試験 R02 第5問
論点: 共犯と錯誤
問題
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公式解答
2
正誤・解説
p1 /
甲及び乙がAに対する暴行を共謀したが、Aの態度に激高した甲が殺意をもってAを殺害した場合、甲及び乙に殺人罪の共同正犯が成立するが、乙は傷害致死罪の刑で処断される。
判例は、強盗・傷害など共謀犯で、共謀者の一部が結果的加重犯に当たる行為をした場合、他の共謀者も共謀の範囲内で共同正犯責任を負うとする。乙を傷害致死罪で処断するという部分が誤り。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く刑法38条第1項・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
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p2 /
甲及び乙がAに対する強盗を共謀したが、その強盗の機会に、甲が過失によってAに傷害を負わせた場合、甲及び乙に強盗致傷罪の共同正犯が成立する。
強盗の機会に共謀者の一人が被害者に傷害を負わせたとき、他の共謀者もその結果について責任を負うとするのが判例。強盗致傷罪の共同正犯成立でよい。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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p3 /
甲及び乙が共謀して、公務員Aに虚偽の内容の公文書の作成を教唆することにしたが、乙はAを買収することに失敗したため、甲に無断で、Bに公文書を偽造することを教唆し、Bが公文書を偽造した場合、甲に虚偽公文書作成罪の教唆犯が成立する。
甲の共謀は公務員を教唆して虚偽公文書を作成させる趣旨であり、Bに偽造を教唆した乙の行為は当初の共謀の範囲を超える。甲に虚偽公文書作成罪の教唆犯は成立しない。
根拠条文:刑法156条・e-Govで法令を開く刑法155条第1項・e-Govで法令を開く
刑法156条―現行条文本文
第百五十六条 (虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
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刑法155条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二 公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
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p4 /
甲が乙にA方に侵入して金品を窃取するように教唆してその犯行を決意させたが、乙はA方と誤認して隣のB方に侵入してしまい、B方から金品を窃取した場合、甲にB方への住居侵入罪及びBに対する窃盗罪の教唆犯は成立しない。
判例は、構成要件の範囲内での錯誤なら教唆者も責任を負うとする。A方への住居侵入強盗の教唆がなされ、結果としてB方への住居侵入・窃盗が生じた以上、甲にも教唆犯が成立する。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く刑法38条第2項・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く刑法205条第2項・e-Govで法令を開く刑法62条第1項・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法205条第2項―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法62条第1項―現行条文本文
正犯を幇ほう助した者は、従犯とする。
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p5 /
甲が乙の傷害行為を幇助する意思で、乙に包丁を貸与したところ、乙が殺意をもってその包丁でAを刺殺した場合、甲に殺人罪の幇助犯が成立し、傷害致死罪の幇助犯は成立しない。
幇助者は、幇助対象が想定した犯罪類型を外れて重い結果を生じても、その結果についても責任を負うとされる。傷害致死の幇助を否定して殺人幇助のみ成立とするのは誤り。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く刑法205条・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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