刑法 第168問
教材: 刑法②
司法試験 H30 第15問
論点: 身分犯の共犯
問題
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【会話】
学生A。私は、刑法第65条第1項は構成的身分の連帯作用を、同条第2項は加減的身分の個別作用を定めたものであると考えます。そして、財物を占有していない甲が、その財物を業務上占有する乙を教唆して、その財物を横領させた事案では、甲には、業務上横領罪の教唆犯が成立すると考えます。
学生B。A君は、業務上横領罪における「業務」や「占有」という点について、①(a.「業務上占有」していることが、非占有者との関係で構成的身分・b.「占有」は構成的身分であり、「業務」は加減的身分)と考えているのですね。私は、刑法第65条第1項は「共犯とする」と規定し、身分犯における共犯の成立について定めたもの、同条第2項は「通常の刑を科する」と規定し、非身分者について刑の個別作用を定めたものであると考えています。同じ事案につき、私の立場からすると、甲には、②(e.業務上横領罪の教唆犯が成立し、単純横領罪の刑が科せられる・d.業務上横領罪の教唆犯が成立し、同罪の刑が科せられる・c.単純横領罪の教唆犯が成立し、同罪の刑が科せられる)ことになります。
学生C。B君は、遺失物等横領罪の刑は「通常の刑」ではないと考えているのですね。私は、刑法第65条第1項は行為の違法性に関係する身分、すなわち違法身分の連帯作用を、同条第2項は行為者の責任に関係する身分、すなわち責任身分の個別作用を規定したものであると考えます。私の見解に立ち、占有者という身分を違法身分、業務者という身分を責任身分と考えた場合、甲には、③(f.単純横領罪の教唆犯が成立する・g.業務上横領罪の教唆犯が成立する・h.業務上横領罪の教唆犯が成立し、単純横領罪の刑が科せられる)ことになります。
公式解答
2. ①a ②e ③f
正誤・解説
1 /
a.「業務上占有」していることが、非占有者との関係で構成的身分
会話文では、Bが「業務上占有」していることを非占有者との関係で構成的身分とみる立場として示されている。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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刑法65条第2項―現行条文本文
身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
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2 /
d. 業務上横領罪の教唆犯が成立し、同罪の刑が科せられる
正解欄より②はe。説明文では、65条1項により業務上横領罪の教唆犯が成立し、2項により単純横領罪の刑が科されると整理している。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く刑法253条・e-Govで法令を開く刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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刑法65条第2項―現行条文本文
身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
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刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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3 /
h. 業務上横領罪の教唆犯が成立し、単純横領罪の刑が科せられる
正解欄より③はf。説明文では、占有者を違法身分、業務者を責任身分とみても、甲には単純横領罪の教唆犯が成立するとしている。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く刑法253条・e-Govで法令を開く刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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刑法65条第2項―現行条文本文
身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
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刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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