刑法 第167問
教材: 刑法②
司法試験 H25 第7問
論点: 共犯の身分に関する見解
問題
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【見解】
Ⅰ.刑法第65条第1項は真正身分犯の成立及び科刑についての規定であり、同条第2項は不真正身分犯の成立及び科刑についての規定である。
Ⅱ.刑法第65条第1項は身分が違法性に関係する場合についての規定であり、同条第2項は身分が責任に関係する場合についての規定である。
Ⅲ.刑法第65条第1項は真正身分犯・不真正身分犯を通じて共犯の成立についての規定であり、同条第2項は不真正身分犯の科刑についての規定である。
【記述】
1.Ⅰの見解に対しては、真正身分犯が身分を連帯的に作用させ、不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠が明らかでないとの批判がある。
2.Ⅱの見解に対しては、身分が違法性に関係する場合と身分が責任に関係する場合を区別することは困難であるとの批判がある。
3.Ⅲの見解は、刑法第65条第1項が「共犯とする」と規定し、同条第2項が「通常の刑を科する」と規定していることを根拠の一つとしている。
4.Ⅰの見解に立った場合、甲が愛人である乙を唆して、乙が介護していた乙の老母の生存に必要な保護をやめさせた事例では、甲には保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し、科刑は単純遺棄罪の刑となる。
5.Ⅲの見解に立ちつつ、常習賭博罪における常習性が身分に含まれると解した場合、賭博の非常習者である甲が賭博の常習者乙を唆して、乙に賭博をさせた事例では、甲には常習賭博罪の教唆犯が成立し、科刑は単純賭博罪の刑となる。
公式解答
4
正誤・解説
1 /
Ⅰの見解に対しては、真正身分犯が身分を連帯的に作用させ、不真正身分犯が身分を個別的に作用させることの実質的根拠が明らかでないとの批判がある。
解説で「本肢記載のとおりである」とされている。真正身分犯・不真正身分犯の区別に対する批判として、身分の作用の仕方の実質的根拠が不明だという指摘がある。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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刑法65条第2項―現行条文本文
身分によって特に刑の軽重があるときは、身分のない者には通常の刑を科する。
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2 /
Ⅱの見解に対しては、身分が違法性に関係する場合と身分が責任に関係する場合を区別することは困難であるとの批判がある。
解説で「本肢記載のとおりである」とされている。身分を違法性関係と責任関係に分ける見解には、その区別自体が困難だという批判がある。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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刑法65条第2項―現行条文本文
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3 /
Ⅲの見解は、刑法第65条第1項が「共犯とする」と規定し、同条第2項が「通常の刑を科する」と規定していることを根拠の一つとしている。
解説で本肢は正しいとされている。65条1項の「共犯とする」、2項の「通常の刑を科する」という文言を、Ⅲの見解の根拠としている。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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4 /
Ⅰの見解に立った場合、甲が愛人である乙を唆して、乙が介護していた乙の老母の生存に必要な保護をやめさせた事例では、甲には保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し、科刑は単純遺棄罪の刑となる。
解説では、保護責任者遺棄罪は真正身分犯なので、Ⅰの見解では甲には65条1項により保護責任者遺棄罪の教唆犯が成立し、科刑も同罪の刑になるとされる。単純遺棄罪の刑ではない。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
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5 /
Ⅲの見解に立ちつつ、常習賭博罪における常習性が身分に含まれると解した場合、賭博の非常習者である甲が賭博の常習者乙を唆して、乙に賭博をさせた事例では、甲には常習賭博罪の教唆犯が成立し、科刑は単純賭博罪の刑となる。
解説で本肢は正しいとされている。常習性を身分とみると、不真正身分犯として65条2項により、甲には常習賭博罪の教唆犯が成立しても科刑は単純賭博罪の刑となる。
根拠条文:刑法65条第1項・e-Govで法令を開く刑法65条第2項・e-Govで法令を開く
刑法65条第1項―現行条文本文
犯人の身分によって構成すべき犯罪行為に加功したときは、身分のない者であっても、共犯とする。
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全体要旨
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