刑法 第155問
教材: 刑法②
司法試験 R04 第7問
論点: 共謀共同正犯等
問題
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公式解答
3
正誤・解説
p1 /
甲は、友人乙がV所有の自動車(以下「V車」という。)の車体をバットで叩いて損壊しているのを発見し、自分も加勢しようと考え、乙に気付かれないように物陰から石を投げ付け、V車の窓ガラスを割った。乙は、その直後に周囲を見回し、物陰にいた甲の姿を見て、甲がV車に石を投げ付けたと認識したが、それ以降は、甲及び乙のいずれも、V車の損壊行為を行わなかった。この場合、甲には、器物損壊罪の共同正犯が成立する。
判例は、共同正犯成立には意思連絡と共同実行が必要で、単に一部を分担的に行っただけでは足りないとする。本問では甲乙間の意思連絡がなく、甲単独の行為として扱われるため、器物損壊罪の共同正犯は成立しない。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲と乙とは、友人丙がVから暴行を受けているのを発見し、丙を助けるために意思を通じ、正当防衛としてVに暴行を加えた。これにより、攻撃の意思を失い攻撃をやめてVが現場から逃走したため、甲は、暴行をやめたが、乙は、Vを追いかけて更にVに暴行を加え傷害を負わせた。その間、甲は、この行動に驚き、乙が暴行を加えるのを傍観していた。この場合、甲には、傷害罪の共同正犯が成立する。
正当防衛として始まった共同実行でも、侵害が終了後の暴行については新たな共謀の有無をみる。甲は乙の追撃暴行に驚いて傍観したにすぎず、侵害終了後の傷害まで共同意思が認められないため、傷害罪の共同正犯は成立しない。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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p3 /
甲と乙とは、Vに対する強盗を共謀し、乙が先にV方に入り、甲のための侵入口を確保したが、現場付近に人が集まってきたことに気付いた甲は、乙に電話をかけ、「もう犯行をやめた方がよい。先に帰る。」と一方的に告げて、その場から立ち去った。その後、乙は、Vから現金を強取した。この場合、甲には、住居侵入罪及び強盗致傷罪の共同正犯が成立する。
判例は、共犯関係は一方的離脱だけでは直ちに解消しないとする。甲は侵入・強盗の共謀に基づき行動しており、電話で帰ると告げただけでは離脱が認められず、その後の乙の強盗も当初の共謀に基づくものとして扱われる。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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p4 /
甲と乙とは、Vに対する強盗を共謀し、甲がVに包丁を示して、「金を出せ。」と要求したが、甲は、Vに懇願の情を抱き、Vに「金は要らない。」と言うとともに、乙にも「お前も強盗なんかやめておけ。」と言ってその場を立ち去った。その後もVは甲の脅迫によって反抗抑圧され続けており、乙は、その状態を利用してVから現金を強取した。この場合、甲には、中止犯が成立する。
中止犯は、自己の意思による実行中止や結果防止が必要。判例は、実行着手後に一人が単独意思でやめても、他の共犯者の行為まで当然に中止の効果は及ばないとする。本問では乙が強取を継続しており、甲の中止犯は認められない。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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p5 /
甲と乙とは、Vの殺害を共謀し、甲がVをナイフで切り付けて傷害を負わせたが、甲は、Vに懇願の情を抱き、犯行をやめようと決意した。甲は、更にVを切り付けようとする乙を羽交い締めにし、Vがその隙に逃走したため、乙は、犯行を継続できず、Vは、死亡するに至らなかった。この場合、甲と乙には、いずれも中止犯が成立する。
中止犯の効果は、単独で実行を中止した者に限られ、他の共犯者には当然には及ばない。甲は結果防止に動いているが、乙はなお犯行継続の意思を有していたため、乙について中止犯は成立しない。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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