刑法 第154問
教材: 刑法②
司法試験 H26 第19問
論点: 共謀共同正犯
問題
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【事例】
暴力団組長である被告人は、被告人を警護するスワットと呼ばれる複数のボディーガードを配下に持ち、被告人が車両で移動する際には、拳銃等それぞれに適合する実包(以下「拳銃等」という。)を携帯したスワットが被告人車両の前後の車両に乗車するなどして、被告人を警護することを常としていた。被告人は、本件犯行時、車両で移動したが、その際、拳銃等を携帯したスワットらが被告人車両の前後の車両に乗車し、被告人車両と隊列を組んで移動するなどして、被告人の警護に当たった。
【判旨】
被告人は、スワットらに対して拳銃等を携行して警護するように直接指示を下さなくても、スワットらが自発的に被告人を警護するために本件拳銃等を所持していることを確定的に認識しながら、それを当然のこととして受け入れて認容し、そのことをスワットらも承知しており、被告人とスワットらとの間に拳銃等の所持につき黙示的に意思の連絡があった。そして、スワットらは被告人の警護のために本件拳銃等を所持しながら終始被告人の近辺にいて被告人と行動を共にしていたものであり、彼らを指揮命令する権限を有する被告人の地位と彼らによって警護を受けるという被告人の立場を併せ考えれば、実質的には、正に被告人がスワットらに本件拳銃等を所持させていたと評し得る。よって、被告人には、本件拳銃等の所持について、スワットらとの間で、銃砲刀剣類所持等取締法違反の罪の共謀共同正犯が成立する。
公式解答
1 / 5
正誤・解説
1 /
【判旨】の考え方によれば、共謀共同正犯が成立するためには、実行行為者とその背後者の間に明示の意思連絡が常に必要なわけではない。
解説では、【判旨】は「直接指示」を要せず、黙示的な意思の連絡があれば足りるとしており、明示の意思連絡までは常に必要ではないとされている。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
【判旨】の考え方によれば、およそ実行行為者とその背後者の間に意思連絡がある場合には、背後者について狭義の共犯が成立することはなく、共謀共同正犯が成立することとなる。
解説では、意思連絡がある場合でも常に共謀共同正犯になるとはいえず、背後者について狭義の共犯が成立しないとはいえないとされている。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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3 /
【判旨】の考え方によれば、共謀共同正犯が成立するためには、一般に、実行行為を行わない者に実行行為者に対する指揮命令権限が必要である。
解説では、共謀共同正犯成立に一般的に指揮命令権限までは不要とされている。被告人の地位は、本件では実質的な支配を基礎づける事情として述べられているにすぎない。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
【判旨】の考え方によれば、仮に【事例】において、現実には被告人がスワットらの拳銃等の所持を認識・認容していたのに、スワットらは、これらの所持に被告人が気付いていないと思っていた場合でも、被告人には共謀共同正犯が成立することとなる。
解説では、被告人とスワットらとの間に黙示的意思の連絡があったことが前提であり、相手方が被告人の認識を欠くと思っていたなら意思連絡がないので成立しない。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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5 /
【判旨】では、被告人が犯行現場付近にいて犯行と密接な関係を保っていたことや被告人の組織内での地位が、被告人を共同正犯と評価する上での重要な事情として考慮されている。
解説では、被告人が犯行現場付近で行動を共にし、組織内で指揮命令権限を有する地位にあったことが、実質的に共同正犯と評価する重要事情とされている。
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第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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