刑法 第152問
教材: 刑法②
司法試験 H30 第13問
論点: 共犯の従属性
問題
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【見解】共犯が成立するためには、正犯の行為が構成要件に該当し、違法性を具備することを要する。
公式解答
3 / 4
正誤・解説
p1 /
甲が強盗犯人Aの妻を唆してAを蔵匿させた場合、甲には犯人蔵匿罪の教唆犯は成立し得ない。
正犯Aに犯人蔵匿罪の成立余地があるかという構成要件・違法性とは別に、妻を唆して蔵匿させた甲には教唆犯が成立し得る。判旨も「成立し得ない」とする記述を否定している。
根拠条文:刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法103条・e-Govで法令を開く刑法105条・e-Govで法令を開く
刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法103条―現行条文本文
第百三条 (犯人蔵匿等)
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
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刑法105条―現行条文本文
第百五条 (親族による犯罪に関する特例)
前二条の罪については、犯人又は逃走した者の親族がこれらの者の利益のために犯したときは、その刑を免除することができる。
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p2 /
甲が刑法第41条の刑事未成年者に当たる乙を唆して窃盗を行わせた場合、甲には窃盗罪の教唆犯は成立し得ない。
41条は責任阻却事由にすぎず、乙の行為が構成要件に該当し違法であれば、甲は窃盗罪の教唆犯となり得る。したがって「成立し得ない」は誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法41条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法41条―現行条文本文
第四十一条 (責任年齢)
十四歳に満たない者の行為は、罰しない。
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p3 /
甲が乙にAが一人で居住する家屋に侵入するよう唆したところ、乙がAの承諾を得て平穏にその家屋に立ち入った場合、甲には住居侵入罪の教唆犯は成立し得ない。
住居侵入罪の「侵入」は管理権者の意思に反する立入りをいうので、Aの承諾を得た平穏な立入りは構成要件に当たらない。よって正犯が成立せず、甲の教唆犯も成立しない。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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p4 /
甲が乙を唆して私文書を偽造させたが、乙に行使の目的がなかった場合、甲には私文書偽造罪の教唆犯は成立し得ない。
私文書偽造罪は「行使の目的」を要するので、乙にその目的がない以上、構成要件に該当しない。したがって甲にも私文書偽造罪の教唆犯は成立しない。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
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p5 /
甲が乙に偽証するよう唆したところ、乙が証人として法律により宣誓した上、虚偽の陳述をしたが、証人尋問手続が終了した後、判決言渡し前に自白した場合、甲には偽証罪の教唆犯は成立し得ない。
自白による減免は、証言後の一定時点までに自白した場合の刑の減軽・免除の問題であり、偽証罪の成立自体を左右しない。したがって甲の教唆犯は成立し得る。
根拠条文:刑法169条・e-Govで法令を開く刑法170条・e-Govで法令を開く
刑法169条―現行条文本文
第百六十九条 (偽証)
法律により宣誓した証人が虚偽の陳述をしたときは、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法170条―現行条文本文
第百七十条 (自白による刑の減免)
前条の罪を犯した者が、その証言をした事件について、その裁判が確定する前又は懲戒処分が行われる前に自白したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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全体要旨
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