刑法 第143問
教材: 刑法②
司法試験 R03 第5問
論点: 共同正犯の本質論
問題
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【事例】
甲乙両名は、2人でVに向けて石を投げることにし、それぞれVに石を投げた。その際、甲には、傷害の故意しかなかったのに対し、乙には、未必的な殺意があった。両名が投げた石のうち、甲の投げた石がVの頭部に当たり、Vが死亡するに至った。
【見解】
A説:共同正犯とは、数人が共同して特定の犯罪を行うことであり、構成要件の間に重なり合いがあれば、そのうちのより重い犯罪について共同正犯の成立を認め、軽い犯罪の故意しか有しない者には、軽い犯罪の刑を科す。
B説:共同正犯とは、数人が共同して特定の犯罪を行うことであり、構成要件の重なり合う限度で軽い犯罪の共同正犯の成立を認め、重い犯罪の故意を有する者には、共同正犯とは別に、その故意に応じた単独犯の成立を認める。
C説:共同正犯とは、数人が犯罪に至る行為過程を含めた行為を共同することであり、特定の犯罪を共同して実現する場合はもちろん、単なる行為を共同して各自の意思する犯罪を実現する場合も、それぞれの行為について共同正犯の成立を認める。
公式解答
5
正誤・解説
1 /
A説からは、甲と乙に殺人罪の共同正犯が成立するとの結論が導かれる。
A説は構成要件の重なりに着目し、より重い犯罪について共同正犯を認める立場。事例では甲乙の行為が重なり、より重い殺人罪の共同正犯が成立するとされる。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
A説に対しては、罪名と科刑が分離し、妥当でないとの批判がある。
A説では、甲は殺人罪の共同正犯、乙は傷害致死罪の刑というように、罪名と科刑がずれるとの批判が説明されている。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
B説に対しては、重い犯罪の故意を有する乙について、重い犯罪の単独犯として構成した場合には、自らの行為と死亡結果の因果性を欠くことから、殺人既遂罪の成立を認めることが困難となるとの指摘がある。
B説は重い犯罪の故意者を単独犯で処理するため、事例のように他人の行為が結果に寄与した場合、自己の行為との因果性をどう基礎づけるかが問題になる。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
B説とC説とで、甲に成立する罪名は異ならない。
解説の表では、B説でもC説でも、甲(殺意なし)には傷害致死罪の共同正犯が成立すると整理されている。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
C説からは、甲と乙に傷害致死罪の共同正犯が成立するにとどまるとの結論が導かれる。
C説は各自の意思する犯罪について共同正犯を認める見解なので、事例では甲に傷害致死罪の共同正犯、乙に殺人罪の共同正犯が成立する。したがって『とどまる』は誤り。
根拠条文:刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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