刑法 第136問
教材: 刑法①
司法試験 H24 第11問
論点: 中止犯
問題
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【事例】甲は、殺意をもって、乙の頭部目掛けて包丁で1回切り付けたが、乙は、これを左腕で防いだため、左前腕部切創の傷害を負った。
公式解答
22212
正誤・解説
p1 /
乙の負った傷害は、全治約2週間の左前腕部切創にとどまり、生命に危険のある状態には至らなかった。甲は、更に乙に切り付けようとしたが、通行人が近づいてくるのを認めて、自己の犯行が発覚すると思想い、その場から逃走した。
通行人接近で逃走しただけでは、自ら積極的に犯行をやめたとはいえず、「自己の意思」による中止とは認められない。
根拠条文:刑法43条ただし書・e-Govで法令を開く
刑法43条ただし書―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
乙は、前記左前腕部切創に起因する出血のため、早期に治療を受けなければ出血性ショックにより死亡する危険のある状態となった。甲は、乙に致命傷を与えたと思い、その場を立ち去ろうとしたが、乙から「助けてくれ。」と懇願されたため、憐憫の情を催し、通行人に「あそこに怪我人がいるから、あとはよろしく。」とだけ告げて立ち去った。乙は、その通行人が手配した救急車によって病院に搬送されて治療を受けた結果、死亡するに至らなかった。
結果発生防止のために十分な措置をとったとはいえず、単に通行人へ引き継いだだけでは中止犯は成立しない。
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刑法43条ただし書―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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p3 /
乙の負った傷害は、全治約2週間の左前腕部切創にとどまり、生命に危険のある状態には至らなかった。しかし、甲は、乙に致命傷を与えたものと信じ込み、その場を立ち去った。
実際には中止意思に基づく行為ではなく、致命傷を与えたと誤信して立ち去ったにすぎないため、「自己の意思により」とはいえない。
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刑法43条ただし書―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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p4 /
乙の負った傷害は、全治約2週間の左前腕部切創にとどまり、生命に危険のある状態には至らなかった。甲は、更に乙に切り付けようとしたが、乙から「助けてくれ。」と懇願されたため、憐憫の情を催し、そのままその場から立ち去った。
憐憫の情によって自発的に犯行をやめたのであり、判例上、中止犯が成立する。
根拠条文:刑法43条ただし書・e-Govで法令を開く
刑法43条ただし書―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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p5 /
乙が死亡した場合、「犯罪を中止した」とはいえないから、中止犯は成立しない。
中止犯は未遂段階で問題となるが、結果が生じて既遂に至れば「中止した」とはいえず、中止犯の成立は否定される。
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第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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