刑法 第132問
教材: 刑法①
司法試験 H28 第13問
論点: 既遂と未遂の区別
問題
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次のアからオまでの各記述における甲の罪責について、判例の立場に従って検討し、( )内の犯罪が既遂になる場合には1を、未遂にとどまる場合には2を、既遂にも未遂にもならない場合には3を選びなさい。
公式解答
13223
正誤・解説
ア /
甲は、所持金がなかったことから代金を支払わずに食事をしようと考え、飲食店に行って料理を注文し、これを食べた後、代金を請求した店員に対し、財布を忘れたので自宅に取りに帰ると嘘を言ったが、店員にその嘘を見破られた。(詐欺罪)
飲食後に無銭で代金支払を免れようとし、騙す行為が代金相当の利益取得に結びつくとして、詐欺罪は既遂と扱う判例立場。
イ /
甲は、Aを殺害しようと考え、Bから致死性の毒薬であると告げられて小瓶入りの液体を購入し、コーヒーに同液体を入れて、これをAに飲ませたものの、同液体は水であったため、Aは死亡しなかった。(殺人罪)
殺意をもって毒物だと誤信させる液体を用いて飲ませた場合、殺人の実行に着手したが結果不発生なので殺人未遂。
ウ /
甲は、Aと同居している自宅を燃やそうと考え、自宅の和室に新聞紙が入った段ボール箱を置き、同新聞紙にライターで点火したところ、その直後に帰宅したAが燃えている同段ボール箱を発見して消火したため、同段ボール箱の直下の畳だけが焼損した。(現住建造物等放火罪)
現に人が住居に使用する建造物へ放火したが、建物内部の一部である段ボール箱付近の焼損にとどまり、建造物の焼損に至らないとして未遂。
エ /
甲は、駅のホームのベンチで寝ているAの隣に座ったところ、Aのズボンのポケットに財布が入っていることに気付き、これを盗もうと考え、手を差し伸べて同ポケットの外側に触れたが、駅員が近付いてきたので、財布に触れることはできなかった。(窃盗罪)
財物に触れていない段階であり、窃盗の実行の着手前にとどまるため、既遂にも未遂にもならない。
オ /
甲は、交通事故を装って保険金をだまし取ろうと考え、Aに依頼して、甲運転の自動車にA運転の自動車を衝突させ、警察官に交通事故を申告したが、Aが警察官から追及されて偽装事故であると認めたため、保険金を請求しなかった。(詐欺罪)
保険金請求前で、保険会社に対する欺罔行為が完了しておらず、詐欺の実行に着手したとはいえないので未遂にもならない。
全体要旨
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