刑法 第99問
教材: 刑法①
司法試験 H21 第8問
論点: 正当防衛、緊急避難
問題
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甲は、道路を通行中、飼い主乙の不注意により乙のもとから逃げ出した犬に足首付近をかみつかれそうになった。このような状況における甲の行為に関する同人の罪責についての次の1から5までの各記述のうち、正しいものを2個選びなさい(ただし、甲には、各記述に記載された犯罪の故意があるものとする)。
公式解答
2 / 5
正誤・解説
p1 /
甲は、逃げ場がなかったことから、犬を足で蹴って怪我をさせた。甲に器物損壊罪が成立する。
甲の行為は、急迫不正の侵害に対する防衛として評価され、正当防衛が成立するため、器物損壊罪は成立しない。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、逃げ場がなかったことから、犬を足で蹴ったが、更に犬が甲の足首付近にかみつこうとしたので、近くのA方住居に無断で逃げ込んだ。甲に住居侵入罪は成立しない。
Aは急迫不正の侵害を行っていないので、正当防衛は問題にならないが、緊急避難が成立するため、住居侵入罪は成立しない。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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p3 /
甲は、逃げ場がなかったことから、犬を足で蹴ったが、更に犬が甲の足首付近にかみつこうとしたので、近くにいたBを突き飛ばして身をかわしたところ、それによりBは転倒して頭部を強打し、脳内出血により死亡した。甲に傷害致死罪は成立しない。
Bは急迫不正の侵害をしておらず、正当防衛は成立しない。転倒による死亡も、避けようとした害が緊急避難の程度を超えるため、傷害致死は否定されない。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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p4 /
甲は、逃げ場がなかったことから、近くで事態を傍観していた飼い主乙に対し、「犬をおとなしくさせないとお前を殺すぞ。」と怒鳴って脅した。甲に脅迫罪が成立する。
飼い主乙に対する脅しは、犬の侵害を排除するための必要最小限の防衛手段として相当性があり、正当防衛として違法性が阻却される。
根拠条文:刑法36条第1項・e-Govで法令を開く
刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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p5 /
甲は、逃げる余裕があったのにその場にとどまり、たまたま所持していたC所有の傘で犬を強打して怪我をさせるとともに、その傘を壊した。甲に器物損壊罪が成立する。
逃避という別の方法があった以上、緊急避難は成立しない。C所有の傘を壊した行為には違法性阻却がなく、器物損壊罪が成立する。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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全体要旨
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