刑法 第97問
教材: 刑法①
司法試験 R03 第19問
論点: 緊急避難
問題
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公式解答
5. エ オ
正誤・解説
p1 /
豪雨により稲苗が水に沈む危険が生じていたことから、排水のため他人の所有する下流の板堰を損壊した場合、「現在の危難」があるとは認められないので、緊急避難は成立しない。
判例は、田地の湛水による稲苗枯死の危険を避けるため、他人所有の板堰を排除する必要があったとして緊急避難を認めている。したがって、「現在の危難」がないとして成立しないとするのは誤り。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
警察官の適法な違法行為に対し、逮捕を免れるためには他に方法がなかったので、第三者を突き飛ばして逃走し、よって同人に傷害を負わせた場合、緊急避難が成立し得る。
判例は、刑法37条の「現在の危難」には、適法な逮捕の危険や裁判権行使の制制を含まないとしている。よって、逮捕逃れのため第三者に傷害を与える場合に緊急避難は成立しない。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p3 /
頭に拳銃を突き付けられて、覚醒剤の自己使用を強要され、これを拒むことができず、自己に覚醒剤を注射して使用した場合、犯罪行為の強要の手段は「現在の危難」に当たらないので、緊急避難は成立しない。
判例は、拳銃で覚醒剤使用を強要された事案につき、生命・身体への危険が切迫しており「現在の危難」があるとして、緊急避難を認めている。したがって不成立とするのは誤り。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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p4 /
吊橋が腐朽し、通行の際の揺れにより通行者の生命、身体等に危険が生じていたため、ダイナマイトを使用して同吊橋を爆破したが、通行制限の強化等適当な手段、方法を講ずる余地があった場合、同爆破行為は、「やむを得ずにした行為」とは認められないので、緊急避難は成立しない。
判例は、危険を防止するために通行制限の強化など他の適当な手段があるのに、ダイナマイトで爆破する必要はないとして、やむを得ずした行為とはいえないとする。
p5 /
甲が飼い犬A大(時価30万円相当)を連れて山道を散歩中、乙が設置していた害獣駆除用の罠(時価3万円相当)にAがかかり、その生命に危険が生じているから、甲は、Aを保護するためにその罠を損壊しても、他に方法がなかったのでその罠の損壊は緊急避難が成立する。
判例は、犬の生命に危険が生じており、これを避けるため他に方法がなく、罠の損壊による損害も避けようとした害の程度を超えないとして、緊急避難を認めている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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全体要旨
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