刑法 第94問
教材: 刑法①
司法試験 H18 第2問
論点: 緊急避難の法的性格
問題
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刑法第37条第1項の緊急避難の法的性格について、学生AとBは、違法性阻却事由説と責任阻却事由説のいずれか異なる見解を採り、「緊急避難に当たる行為に対して正当防衛が成立し得るか。」という問題について議論したところ、学生Aは「緊急避難は成立し得るが、正当防衛は成立し得ない。」との結論になり、学生Bは「正当防衛が成立し得る。」との結論になった。
公式解答
1
正誤・解説
1 /
制限従属性説を前提として、この見解を採って検討すると、正犯と従犯の関係で、正犯が緊急避難に当たる行為をした場合、正犯の幇助をした者は不可罰となる。
解説では、学生Aの見解は違法性阻却事由説とされ、これを前提に制限従属性説を採ると、正犯行為が違法でないため従犯は成立しにくいとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
この見解は、違法性阻却の実質的理由を優越的利益の保護に求める考え方と矛盾する。
解説では、優越的利益の保護を理由とする考え方は、法益の権衡を要件とする緊急避難を説明でき、違法性阻却事由説と矛盾しないとされている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
この見解によれば、刑法上の緊急避難に当たる行為は、民法上も損害賠償責任を問われることはない。
解説では、刑法上の緊急避難と民法上の緊急避難は同じではなく、違法性阻却事由説によっても民事上の損害賠償責任が問題となり得るとしている。
根拠条文:民法720条第1項・e-Govで法令を開く民法720条第2項・e-Govで法令を開く刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
民法720条第1項―現行条文本文
他人の不法行為に対し、自己又は第三者の権利又は法律上保護される利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。
ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない。
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民法720条第2項―現行条文本文
前項の規定は、他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合について準用する。
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刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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4 /
法益の権衡が緊急避難の要件とされていることは、この見解の根拠となり得ない。
解説では、責任阻却事由説を採るなら法益の権衡を厳格に要件と考える必要はないが、逆に違法性阻却事由説では法益の権衡が根拠となり得るとしている。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
この見解に対しては、学生Bが採る見解から「無関係な他人のためにする緊急避難が認められていることを説明できない。」との批判がある。
解説では、この批判は学生Bの採る責任阻却事由説に対するものとされている。学生Aの違法性阻却事由説に対する批判ではない。
根拠条文:刑法37条第1項・e-Govで法令を開く
刑法37条第1項―現行条文本文
自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を超えなかった場合に限り、罰しない。
ただし、その程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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