刑法 第77問
教材: 刑法①
司法試験 H19 第16問(改)
論点: 被害者の承諾と錯誤
問題
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次のアからオまでの各記述について、判例の立場に従って検討し、甲に( )内の罪が成立するものは○、成立しないものは×とした場合、各記述と○・×の組合せとして正しいものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
3. ア○ イ○ ウ× エ○ オ○
正誤・解説
A /
甲は、乙にわいせつな行為をすることについての乙の承諾がないのに、これがあると誤信して、乙が10歳であることを知りながら、乙に対してわいせつな行為を行った。(16歳未満の者に対する不同意わいせつ罪)
判例・解説は、16歳未満の者に対する不同意わいせつ罪は、被害者の承諾があっても成立し、承諾の有無を誤信していても結論は変わらないとしている。
根拠条文:刑法38条第1項・e-Govで法令を開く刑法176条第3項・e-Govで法令を開く
刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法176条第3項―現行条文本文
十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。
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B /
甲は、乙を殺害することについての乙の承諾がないのに、これがあると誤信して、乙の首をひもで絞めて殺害した。(同意殺人罪)
解説は、承諾があると誤信して被害者を殺害しても、被害者に真意なく虚偽に自己の殺害を依頼・承諾した等の事情がない限り同意殺人罪が成立するとしている。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法38条第2項・e-Govで法令を開く刑法202条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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C /
甲は、乙の居宅に入ることについての乙の承諾がないのに、これがあると誤信して、乙が単身居住するその居宅に入った。(住居侵入罪)
解説は、住居侵入罪の「侵入」は管理権者の意思に反して立ち入ることをいうため、承諾があると誤信して入った場合は「罪を犯す意思」がなく、住居侵入罪は成立しないとしている。
根拠条文:刑法130条・e-Govで法令を開く
刑法130条―現行条文本文
第百三十条 (住居侵入等)
正当な理由がないのに、人の住居若しくは人の看守する邸宅、建造物若しくは艦船に侵入し、又は要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、三年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金に処する。
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D /
甲は、乙に傷害を負わせることについての乙の承諾がないのに、これがあると誤信して、過失による事故を装って保険金を詐取するため、甲の運転する自動車を乙に衝突させ、乙に傷害を負わせた。(傷害罪)
解説は、承諾があると誤信していても、傷害罪については承諾の存在は違法性阻却事由にすぎず、違法な結果を生じさせた以上、傷害罪は成立するとしている。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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E /
甲は、交通違反の取締りを受けた際に乙の氏名を名乗ることについての乙の承諾がないのに、これがあると誤信して、交通違反を警察官に現認された際、乙の氏名を名乗り、交通反則切符の供述書にこの名義で署名押印した。(有印私文書偽造罪)
解説は、他人名義で文書を作成しても承諾があっても「偽造」に当たり得るとして、有印私文書偽造罪の成立を認めている。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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