刑法 第71問
教材: 刑法①
司法試験 H30 第5問
論点: 違法性
問題
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公式解答
22122
正誤・解説
A /
殺人被害事件の弁護人が、同被告事件の真犯人は被告人の兄であると考え、第一審の有罪判決後に行った記者会見で「同被告事件の真犯人は被告人の兄である。」旨発表した場合、弁護活動の一環として行ったものであるから、正当な業務行為として違法性が阻却され、各警察損害賠償は成立し得ない。
弁護活動でも、真実性の確認や法秩序全体との調和が必要で、記者会見での名誉毀損的公表が当然に正当化されるわけではない。判例は、弁護活動の名の下でも違法性阻却を否定し得るとしている。
根拠条文:刑法35条・e-Govで法令を開く刑法230条第1項・e-Govで法令を開く
刑法35条―現行条文本文
第三十五条 (正当行為)
法令又は正当な業務による行為は、罰しない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法230条第1項―現行条文本文
公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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I /
宗教家が、異常な言動を示すようになっていた娘を連れてきた信者の求めに応じ、その娘の不調の原因を取り去る目的で、宗教上の行為として、同人の身体を手で押さえ付け、流し落ちる滝の水を同人の顔面に打ち当てた結果、同人を窒息死させた場合、宗教活動の一環として行ったものであるから、正当な業務行為として違法性が阻却され、傷害致死罪は成立しない。
宗教活動であっても、行為態様が社会通念上許容される範囲を超えれば違法性は阻却されない。判例は、当該行為は憲法20条1項の信教の自由の限界を逸脱するとした。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く日本国憲法20条第1項・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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日本国憲法20条第1項―現行条文本文
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
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U /
現行犯人を逮捕しようとする私人が、犯人から抵抗を受け、逮捕のために社会通念上必要かつ相当な範囲で実力を行使し同人に傷害を負わせた場合、法令による行為として違法性が阻却され、傷害罪は成立し得ない。
現行犯逮捕は適法な権限行使であり、必要かつ相当な範囲の実力行使は違法性が阻却される。判例も、私人による現行犯逮捕のための相当な有形力行使を認めている。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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E /
借地人が、自己の借地内にある自己所有の店舗を増築する必要に迫られ、的借地内に突き出している隣の家屋の屋根をその所有者の承諾なく切除した場合、自救行為として違法性が阻却され、建造物損壊罪は成立し得ない。
自救行為は一般に厳格に限られ、権利保全の必要があっても直ちに適法とはいえない。判例は、他人の建造物を無断で切除した行為について自救行為の違法性阻却を否定している。
根拠条文:刑法260条・e-Govで法令を開く
刑法260条―現行条文本文
第二百六十条 (建造物等損壊及び同致死傷)
他人の建造物又は艦船を損壊した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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O /
新聞記者が、取材の目的で国家公務員に秘密漏示を唆した場合、取材の自由は憲法上保障される表現の自由に由来し、十分尊重されるべきであるから、正当な業務行為として違法性が阻却され、国家公務員法違反の罪(秘密漏示教唆罪)は成立し得ない。
取材の自由は一定の保護を受けるが、直ちに違法性阻却や国家公務員法違反の否定までは導かれない。判例は、報道機関による取材方法が相当性を欠けば違法となり得るとする。
全体要旨
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