刑法 第54問
教材: 刑法①
司法試験 R04 第1問
論点: 論点未取得
問題
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公式解答
1 / 3
正誤・解説
p1 /
甲は、麻薬であるヘロインの粉末を覚醒剤と誤信して営利目的で輸入した。ヘロインの営利目的輸入罪と覚醒剤の営利目的輸入罪の法定刑は同一である。この場合、甲には、覚醒剤の営利目的輸入罪が成立する。
判例は、麻薬と覚醒剤は取締法規を異にするが、構成要件や法定刑が同一で実質的に同一の法規制に服する類型では、誤認しても故意阻却は否定されるとして、麻薬輸入罪の故意を認める。
根拠条文:刑法38条第1項・e-Govで法令を開く
刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
暴力団組員甲は、配下の組員乙に対し、抗争状態にある暴力団組員Aとの間でもめごとが起きた場合にはAを殺害してよいが、実際にAを殺害するかは乙の判断に任せる旨伝えて拳銃を渡し、乙も了承したところ、乙は、Aともめごとが起きたことから、殺意をもってAを射殺した。甲が乙とAの間でもめごとが起きることがあり得ると認識していた場合、甲には、殺人罪の故意が認められる。
判例は、共謀内容に被害者殺害を一定の事態の発生にかからせていても、その殺害計画を遂行しようとする意思が確定的なら故意を否定しないとしている。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p3 /
甲は、殺意をもって拳銃を発射したところ、その弾丸がAを貫通し、その背後にいて甲がその存在を認識していなかったBにも命中し、その結果、Aが死亡し、Bが重傷を負った。この場合、甲には、Aに対する殺人罪が成立するが、Bに対する殺人未遂罪は成立しない。
判例は、狙った相手に対する故意があれば、認識していない第三者に対しても、その結果について殺人の故意を認め得るとしている。したがって、Bについて殺人未遂が問題となる。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、乙にAへの暴行を教唆し、乙もその旨決意し、Aに暴行を加えて死亡させたが、甲は同教唆の時点でAが死亡する可能性を予見していなかった。この場合、甲には、傷害致死罪の教唆犯が成立する。
判例は、教唆により暴行が実行され、その結果として被害者が死亡した場合、教唆者はその結果についても責任を負い得るとして、傷害致死の教唆犯成立を認める。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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p5 /
甲は、殺意をもってAの首を絞めたところ、Aが動かなくなったので、Aが死亡したものと誤信し、犯行の発覚を防ぐ目的で、Aを砂浜に運んで放置し、その結果、Aが砂を吸引して窒息死した。この場合、甲には、殺人罪が成立する。
判例は、被害者を死んだと思い込んで遺棄しても、その遺棄行為が発覚防止のための殺意ある行為の延長線上にあり、死亡結果と因果関係が認められるときは殺人既遂を認める。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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