刑法 第50問
教材: 刑法①
司法試験 H23 第18問(改)
論点: 事実の錯誤
問題
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公式解答
1 / 3
正誤・解説
1 /
甲は、乙が第三者から盗んできた物を、盗品かもしれないと認識していたが、値段が安いのでそれでも構わないと思って有償で譲り受けた。この場合、甲には盗品等有償譲受罪は成立しない。
判例は、盗品と知りつつ受け取る場合だけでなく、盗品かもしれないと疑いながら敢えて受け取る未必の故意でも足りるとしている。したがって「成立しない」は誤り。
2 /
甲は、殺意をもって乙の首を絞め、乙が気絶したのを見て既に窒息死したものと誤信し、乙を海に投げ込んだところ、乙は海中で溺死した。この場合、甲には殺人罪が成立する。
判例は、被害者を死亡したと思い込んで海に投棄した場合でも、先行行為である殺意ある行為と死亡結果との因果関係を認め、殺人罪の成立を肯定している。
3 /
甲は、自己が経営する店において、わいせつな映像を録画したDVDを販売したが、あらかじめ同DVDの映像を再生してその内容を認識していたものの、この程度ではわいせつ電磁的記録媒体に当たらないと考えていた。この場合、甲にわいせつ電磁的記録媒体頒布罪は成立しない。
判例は、わいせつ性の法的評価まで正しく認識している必要はなく、内容が猥褻に当たることの認識があれば足りるとしている。よって「成立しない」は誤り。
4 /
甲は、パチンコ店の従業員乙が運搬していた同店の売上金の入ったかばんを強奪するため、この後方から、その頭部を狙い、殺意をもってけん銃の弾丸を発射したところ、同弾丸は乙の肩を貫通した上、甲が認識していなかった通行人丙の腹部に命中し、乙と丙にそれぞれ傷害を負わせた。この場合、甲には、乙に対する強盗殺人未遂罪、丙に対する強盗殺人未遂罪がそれぞれ成立し、両罪は観念的競合となる。
判例は、強盗の手段として行った発砲で、想定外の第三者にも傷害結果が生じた場合、行為者の故意と結果の関係を認め、各被害者に対する未遂罪の成立を肯定している。
5 /
甲は、乙に対し両足で飛び蹴りをしたところ、乙が両の頭部を1回殴り、その結果、丙が転倒して地面に頭部を打ち付け、脳挫傷により死亡した。この場合、甲には傷害致死罪の教唆犯が成立する。
判例は、暴行を加えようとした者がその結果として他人を死亡させた場合、たとえ被害者でない者に結果が生じても、傷害致死の責任を負うとしている。
全体要旨
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