刑法 第49問
教材: 刑法①
司法試験 H22 第6問(改)
論点: 論点未取得
問題
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公式解答
正解 / 3 / 5
正誤・解説
1 /
甲が、Aを脅迫する意図でA宅に宛てて「お前の家に火をつけてやる。」と記載した手紙を郵送したところ、同手紙が誤ってA宅の隣のB宅に配達され、Bがこの手紙を読んで畏怖した。甲には、Bに対する脅迫罪が成立する。
判例は、犯意の内容と現実の結果が法定の範囲内で一致すれば足り、具体的一致までは不要とする。誤配でBが畏怖しても、Bへの脅迫罪成立を肯定する。
根拠条文:刑法38条第1項・e-Govで法令を開く刑法222条第1項・e-Govで法令を開く
刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
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刑法222条第1項―現行条文本文
生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
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2 /
甲が、乙に対し、Aの弱みに付け込んでAから現金を喝取するように唆したところ、乙は、その旨決意し、深夜、公園にいるBをAと誤認して、現金を喝取しようとしてBを脅迫したが、人違いのため現金を喝取できず、その直後、Aを上記公園に呼び出し、Aから現金を喝取した。甲には、Aに対する恐喝既遂罪の教唆犯とBに対する恐喝未遂罪の教唆犯が成立する。
判例は、教唆犯の個数は正犯の犯罪の個数に従うとする。Bへの人違いの恐喝未遂と、Aからの恐喝既遂は別個に成立し、甲にもそれぞれの教唆犯が成立する。
根拠条文:刑法249条第1項・e-Govで法令を開く刑法250条・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く刑法54条第1項・e-Govで法令を開く
刑法249条第1項―現行条文本文
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法250条―現行条文本文
第二百五十条 (未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。
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刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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刑法54条第1項―現行条文本文
一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。
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3 /
甲は、12歳のAを16歳と誤信し、Aに対して、同意しない意思を形成し、表明し又は全うすることが困難な状態にさせることも、その状態にあることに乗じることもなく、わいせつな行為をした。甲には、不同意わいせつ罪が成立する。
不同意わいせつ罪の客観的構成要件は、年齢要件も含めた法定類型に当たる必要がある。16歳未満に対する類型に該当すると誤信していない以上、同罪の故意は認められない。
根拠条文:刑法176条第1項・e-Govで法令を開く
刑法176条第1項―現行条文本文
次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。
二 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。
三 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。
四 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。
五 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。
六 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。
七 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。
八 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。
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4 /
甲が、乙に対し、Aに暴行を加えるように唆したところ、乙は、その旨決意し、Aに暴行を加えたが、暴行を加えているうちに傷害の故意を生じ、その後の暴行による傷害が致命傷となってAは死亡した。甲には、傷害致死罪の教唆犯が成立する。
暴行の教唆により正犯が途中で傷害の故意を生じ、結果として死亡した場合、因果の流れの中で傷害致死の結果を招く限度で教唆者にも及ぶとする。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く刑法61条第1項・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
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5 /
甲は、Aが甲に射殺されることに同意したため、Aに対し、殺意をもってけん銃を発射したが、銃弾は、Aに当たらずにAの頭部をかすめ、Aの背後にいて甲がその存在を認識しておらず、甲に射殺されることに同意していなかったBに命中して同人を死亡させた。甲には、Aに対する同意殺人未遂罪とBに対する殺人既遂罪が成立する。
同意殺人の故意は認められるが、Bについては同意のない殺意ある殺人の故意が問題となる。判例は、同一の射撃行為について同意殺人と殺人が観念的競合し、殺人既遂は否定する。
根拠条文:刑法202条・e-Govで法令を開く刑法203条・e-Govで法令を開く刑法199条・e-Govで法令を開く刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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刑法203条―現行条文本文
第二百三条 (未遂罪)
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
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刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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全体要旨
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