刑法 第46問
教材: 刑法①
司法試験 R05 第1問
論点: 故意
問題
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公式解答
22221
正誤・解説
ア /
甲は、客観的にわいせつ性を有する書籍につき、その内容を確認し理解したものの、この程度では刑法上のわいせつな文書には該当しないと考え、同書籍を多数の者に販売した。この場合、甲にわいせつ物頒布罪は成立しない。
刑法175条の「わいせつ物」に当たるかは、主観的にわいせつでないと思っていても、客観的にわいせつ性があれば足りる。判例は、内容認識があって頒布すれば足り、法律の錯誤として故意を否定しないとしている。
根拠条文:刑法38条第1項・e-Govで法令を開く刑法175条第1項・e-Govで法令を開く刑法38条第3項・e-Govで法令を開く
刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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刑法175条第1項―現行条文本文
わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、二年以下の拘禁刑若しくは二百五十万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は拘禁刑及び罰金を併科する。
電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。
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刑法38条第3項―現行条文本文
法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない。
ただし、情状により、その刑を減軽することができる。
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イ /
甲は、A方前路上に置かれていた自転車を、Aの所有物と認識して持ち去ったが、実際には同自転車は捨てられた物であり、誰の所有にも占有にも属さないものであった。この場合、甲に遺失物等横領罪が成立する。
遺失物等横領罪の客体は「他人の物」である。捨てられて誰の所有・占有にも属さない物は他人の物に当たらないため、甲が所有物と誤認して持ち去っても同罪は成立しない。
根拠条文:刑法254条・e-Govで法令を開く
刑法254条―現行条文本文
第二百五十四条 (遺失物等横領)
遺失物、漂流物その他占有を離れた他人の物を横領した者は、一年以下の拘禁刑又は十万円以下の罰金若しくは科料に処する。
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ウ /
甲は、男性Aが、酔酊して暴れ回る女性Bを介抱するために取り押さえているのを見て、AがBに対し無理矢理わいせつ行為に及ぼうとしていると誤信し、Bを助けるため、自己の暴行の内容を認識しつつAに暴行を加え、傷害を負わせた。この場合、甲の暴行の程度が、甲が認識した急迫不正の侵害に対する防衛手段としての相当性を超えていても、甲に傷害罪は成立しない。
誤想防衛では、現実の事情では正当防衛が成立せず、かつ行為が認識した侵害に対する防衛手段として相当性を欠けば、違法性が阻却されない。したがって、相当性を超える暴行なら傷害罪が成立しうる。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く刑法36条第1項・e-Govで法令を開く刑法36条第2項・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法36条第1項―現行条文本文
急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない。
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刑法36条第2項―現行条文本文
防衛の程度を超えた行為は、情状により、その刑を減軽し、又は免除することができる。
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エ /
甲は、乙に対し、A方に侵入して金品を窃取するように唆したところ、乙は、犯行を決意し、A方に侵入しようとしたが、施錠を解錠できず、犯行を断念した。帰路において、乙は、B方に侵入し、Bから金品を強取した。甲の教唆行為と乙のB方における住居侵入及び強盗との間に因果関係が認められない場合であっても、甲に住居侵入罪及び強盗罪の教唆犯が成立する。
教唆犯は、教唆行為により特定の正犯行為が生じたことが必要で、正犯の行為と教唆行為の間に因果関係が認められないなら成立しない。A方への教唆でB方の住居侵入・強盗までは負わせられない。
根拠条文:刑法61条第1項・e-Govで法令を開く
刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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オ /
甲は、乙が窃取したバッグを、これが盗品かもしれないがそれでも構わないと思って購入した。この場合、甲に盗品等有償譲受け罪が成立する。
盗品等有償譲受け罪は、物が盗品等であることを確定的に知っている必要はなく、盗品かもしれないと思いながら受け取る未必の故意で足りる。したがって、盗品かもしれないと認識して購入すれば成立する。
根拠条文:刑法256条第2項・e-Govで法令を開く
刑法256条第2項―現行条文本文
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
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全体要旨
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