刑法 第41問
教材: 刑法①
予備試験 R03 第11問
論点: 因果関係
問題
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公式解答
4. 4個
正誤・解説
p1 /
甲は、他の共犯者5名と共に、約3時間にわたり、マンションの一室において、Vの頭部、腹部等を木刀で多数回殴打していたところ、これにより極度の恐怖感を抱いたVが、同室から逃走し、甲らによる追跡から逃れるために、同マンション付近にある高速道路に進入し、疾走してきた自動車に衝突され、死亡した。この場合、甲らの上記殴打行為とVの死亡との間に、因果関係はない。
判例は、被害者が暴行から逃れる過程で通常想定しにくい方法を選んだとしても、その選択が暴行に基因するものといえる以上、暴行と死亡との因果関係を肯定している。
p2 /
甲は、Vの頭部を包丁で刺突し、致命傷になり得る頸部刺創の傷害をVに負わせたところ、Vは、病院で緊急手術を受けたため一命をとりとめ、引き続き安静な状態で治療を継続すれば数週間で退院することが可能であったが、安静にせず、病室内を歩き回ったことから治療の効果が上がらず、同頸部刺創に基づく血液循環障害による肝機能障害により死亡した。この場合、甲の上記刺突行為とVの死亡との間に、因果関係はない。
傷害後に被害者が医師の指示に従わなかったなど治療への非協力があっても、加えられた傷害から死亡結果が生じたといえる限り、因果関係は否定されない。
p3 /
甲は、Vの顔面を1回足で蹴ったところ、特殊な病気により脆弱となっていたVの脳組織が崩壊してVが死亡したが、当該病気の存在について、一般人は認識することができず、甲も認識していなかった。この場合、甲の上記蹴り行為とVの死亡との間に、因果関係はない。
被害者の特殊事情が通常予見できなくても、その事情と結び付いて結果が生じたなら、行為と結果の因果関係は肯定され得る。
p4 /
甲は、医師資格のない柔道整復師であるところ、自己に全幅の信頼を寄せるVから、風邪の治療について相談を持ち掛けられた際に、Vに対し、食事や水分補給を控える一方、発汗を促すという医学的に明らかに誤った治療法を繰り返し指示し、これに忠実に従ったVが症状を悪化させ、脱水症状に陥り、死亡した。この場合、甲の上記指示行為とVの死亡との間に、因果関係はない。
誤った治療指示に被害者が従い、症状悪化・死亡に至ったなら、その指示が結果発生を招いたものとして因果関係は否定されない。
p5 /
甲は、自動車を運転中、路上で通行人Vに同車を衝突させてVを同車の屋根に跳ね上げ、意識を喪失したVに気付かないまま、同車の運転を続けていたところ、同乗者がVに気付き、走行中の同車の屋根からVを引きずり降ろして路上に転落させ、Vは、頭部打撲に基づく脳くも膜下出血により死亡したが、これが同車との衝突の際に生じたものか、路上に転落した際に生じたものかは不明であった。この場合、甲の上記衝突行為とVの死亡との間に、因果関係はない。
衝突時とその後の転落時のいずれで致死傷害が生じたか不明で、衝突行為と死亡結果の結び付きが認めにくいとして、因果関係を否定した判例に沿う。
全体要旨
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