刑法 第37問
教材: 刑法①
司法試験 H28 第5問
論点: 因果関係
問題
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なし
公式解答
2 / 3
正誤・解説
1 /
甲が、殺害目的でVの首を両手で絞め、失神してぐったりとしたVを死んだものと誤解し、死体を隠すつもりでVを雪山に運んで放置したところ、Vは意識を回復しないまま凍死した。甲がVの首を両手で絞めた行為とVの死亡との間には、因果関係がない。
判例は、当初の殺害行為の後に死体隠匿目的の行為が介在しても、社会生活上の普通観念に照らし、当初行為から死亡結果が生じたといえる限り因果関係を認める。
2 /
甲が、心臓発作を起こしやすい持病を持つVを突き飛ばして尻餅をつくように路上に転倒させたところ、Vはその転倒のショックで心臓発作を起こして死亡した。Vにその持病があることを甲が知り得なかった場合でも、甲がVを突き飛ばして路上に転倒させた行為とVの死亡との間には、因果関係がある。
特殊な事情を知らなくても、その暴行が特殊事情と相まって致死結果を生じさせた以上、因果関係は肯定されうるとする判例の立場である。
3 /
甲は、Vの頭部を包丁で刺し、Vは、その刺創に基づく血液循環障害による脳機能障害により死亡した。この場合も、甲がVの頭部を包丁で刺した行為とVの死亡との間には、因果関係がある。
被害者の治療経過に問題があっても、当初の傷害が死亡結果に至る過程の重要な原因であるなら、因果関係を肯定するのが判例の考え方である。
4 /
甲は、深夜、市街地にある道路の狭い車道上に無灯火のまま駐車していた普通乗用自動車の後部トランクにVを閉じ込めて監禁したが、数分後、たまたま普通乗用自動車で通り掛かった乙が居眠り運転をして同車を甲の普通乗用自動車の後部トランクに衝突させ、Vは全身打撲の傷害を負い死亡した。甲がVをトランクに監禁した行為とVの死亡との間には、因果関係がない。
第三者の過失が介在しても、被害者を危険な状態に置いた行為から通常想定される結果の範囲なら因果関係を肯定しうる。
5 /
甲は、ホテルの一室で未成年者Vに求められてその腕に覚せい剤を注射したところ、その場でVが錯乱状態に陥った。甲は、覚せい剤を注射した事実の発覚を恐れ、そのままVを放置して逃走し、Vは覚せい剤中毒により死亡した。Vが錯乱状態に陥った時点で甲がVに適切な治療を受けさせることによりVを救命できた可能性が僅かでもあれば、甲がVを放置した行為とVの死亡との間には、因果関係がある。
救命可能性がわずかにあるだけでは足りず、放置が死亡結果を生じさせたといえるだけの相当程度の確実性が必要とする判例の立場である。
全体要旨
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