刑法 第33問
教材: 刑法①
司法試験 H21 第2問(改)
論点: 因果関係
問題
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【見解】 行為自体の危険性が結果へと現実化したものと認められる場合には、行為と結果との間の因果関係を肯定し、そうでない場合にはこれを否定する。行為の危険性は、行為時に存在した全事情を基礎に判断する。
公式解答
4
正誤・解説
p1 /
甲は、乙を突き飛ばして転倒させ、同人のひじに擦過傷を負わせた。乙は、重篤な心臓病で心臓発作を起こしやすい状況にあったため、転倒したショックで心臓発作を起こして死亡した。(傷害致死罪)
乙が重篤な心臓病にあったことも含め、転倒という行為の危険性が心臓発作として現実化したといえるため、因果関係が肯定され、傷害致死罪が成立する。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、乙を殴って転倒させ、同人にそのまま放置すれば死亡する危険のある頭部外傷を負わせた。乙は、病院に行って治療を受ければ死亡することはなかったが、自らの意思で病院に行かなかったため、前記傷害が原因で死亡した。(傷害致死罪)
受傷自体が死亡の危険を含む以上、その後に乙が受診しなかったことは因果関係を遮断しない。傷害の危険性がそのまま死亡結果に現実化したとして傷害致死罪が成立する。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、夜間、見通しの悪い道路に無灯火のまま駐車させていた普通乗用自動車のトランク内に乙を監禁したところ、その自動車に、たまたま通り掛かった丙運転の自動車が丙の不注意により追突し、それによる傷害が原因で乙は死亡した。(監禁致死罪)
監禁により移動手段の中に閉じ込めた危険が、追突事故を通じて死亡結果に現実化したと評価できるため、因果関係が肯定され、監禁致死罪が成立する。
根拠条文:刑法220条・e-Govで法令を開く刑法221条・e-Govで法令を開く
刑法220条―現行条文本文
第二百二十条 (逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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刑法221条―現行条文本文
第二百二十一条 (逮捕等致死傷)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
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p4 /
甲は、乙を殴って転倒させ、同人にそのまま放置すれば死亡する危険のある頭蓋内出血の傷害を負わせた。乙は、病院において治療を受けたが、なお死亡する危険のある状態であったところ、乙の入院中に何者かがその病院に放火し、これにより発生した火災が原因で乙は焼死した。(傷害致死罪)
傷害はなお治療継続中の死亡危険状態にとどまり、死亡は第三者の放火による火災で生じているため、傷害の危険性が死亡結果へ現実化したとはいえない。したがって因果関係は否定され、傷害致死罪は成立しない。
根拠条文:刑法205条・e-Govで法令を開く
刑法205条―現行条文本文
第二百五条 (傷害致死)
身体を傷害し、よって人を死亡させた者は、三年以上の有期拘禁刑に処する。
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p5 /
甲は、自己の運転する自動車を不注意により歩行者に衝突させ、同人にそのまま放置すれば死亡する危険のある頭蓋内出血の傷害を負わせた。前記衝突により乙は甲の自動車の屋根の上に跳ね上げられ、甲は、それに気付かないまま自動車を走行させていたところ、助手席に乗車していた丙は、間もなく屋根の上に乙がいることに気付き、同人を屋根の上から引きずり降ろして路上に転落させ、乙は、その衝撃で前記傷害が悪化したことが原因で死亡した。(過失運転致死罪)
衝突で生じた傷害が、屋根からの転落により悪化して死亡に至っているので、運転行為の危険性が結果へ現実化したといえる。第三者の行為があっても、因果関係は肯定され過失運転致死罪が成立する。
根拠条文:刑法5条・e-Govで法令を開く
刑法5条―現行条文本文
第五条 (外国判決の効力)
外国において確定裁判を受けた者であっても、同一の行為について更に処罰することを妨げない。
ただし、犯人が既に外国において言い渡された刑の全部又は一部の執行を受けたときは、刑の執行を減軽し、又は免除する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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