刑法 第20問
教材: 刑法①
司法試験 H22 第2問
論点: 不作為犯
問題
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公式解答
5
正誤・解説
1 /
真正不作為犯と不真正不作為犯との違いは、刑罰法規そのものが構成要件要素として明文で不作為を規定しているか否かにある。
真正不作為犯は法文自体が不作為を構成要件として明示する。これに対し不真正不作為犯は、作為犯の構成要件を不作為で実現する類型である。
2 /
作為義務を不真正不作為犯の成立要件とすることにより、結果の発生を回避し得る作為をなかった複数の者の中から不作為犯の主体となり得ない者を除外することができる。
不真正不作為犯では作為義務が必要であり、その有無で主体を絞ることができる。結果回避可能な行為をしなかった者全員が当然に主体になるわけではない。
3 /
不作為とは「一定の作為をしないこと」を意味するから、他人の住居内で居住者から退去要求を受けた場合になすべき「一定の作為」が「住居から退去すること」だとすると、「その住居内に居座ること」も「その住居内で財物を窃取すること」も不作為である。
不作為は基準となる作為をしないことなので、退去すべき場面で居座ることは不作為になり得る。基準設定によって他の行為も不作為と評価されることがある。
4 /
不真正不作為犯を認める見解に対しては、「無」から有は生じないから因果関係が認められないという批判が得られるが、期待された作為を行っていたら結果の発生が避けられたであろうという場合には因果関係が認められるとの反論が可能である。
不作為と結果の因果関係は、期待された作為があれば結果回避できたかという観点で判断する考え方がある。したがって「無から有は生じない」との批判に対し、反対の説明が可能である。
5 /
不真正不作為犯の成立要件としての作為義務を認めるためには不作為者が結果発生の原因となる先行行為を行えば足りるとする見解に対しては、故意又は過失によって人に傷害を与えた者が、その後殺意をもってその人を救助せずに放置して死亡させた事案において、不作為による殺人罪が認められる範囲が狭くなり過ぎるとの批判が可能である。
正解は5。先行行為だけを作為義務の根拠とすると、事案によっては不作為犯の成立範囲が狭くなりすぎるとの批判があり、記述はその批判の方向を取り違えている。
全体要旨
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