刑法 第17問
教材: 刑法①
司法試験 R02 第1問
論点: 間接正犯
問題
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公式解答
5
正誤・解説
1 /
甲は、Xに対し、暴行や脅迫を用いて、自殺するように執拗に要求し、要求に応じて崖から海に飛び込んで自殺するしかないとの精神状態に陥らせた上で、Xを崖から海へ飛び込ませて死亡させた。この場合、甲に、Xに対する殺人罪は成立しない。
判例は、被害者を自殺に追い込むまで支配し、自己の命令により危険な行為をさせて死亡させた場合、実行行為性を認めて殺人罪の成立を肯定している。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、追死する意思がないのにあるように装い、その言動で誤信したXに心中を決意させた上で、毒物を渡し、それを飲み込ませて死亡させた。この場合、甲に、Xに対する殺人罪は成立しない。
判例は、被害者に重大な瑕疵ある意思があっても自由な意思に基づかない場合は承諾として扱えず、欺いて自殺させた行為は通常の殺人罪に当たるとしている。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法202条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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3 /
甲は、財物を奪取するために、当該財物の占有者Xに対し、反抗を抑圧するに足る程度の暴行や脅迫を用いて、当該財物を差し出ししないとの精神状態に陥らせた上で、当該財物を差し出させた。この場合、甲に、Xに対する強盗罪は成立せず、窃盗罪の間接正犯が成立する。
判例は、反抗を抑圧する程度の暴行・脅迫で占有者に財物を差し出させたときは、強盗罪が成立し、窃盗の間接正犯にはならないとしている。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
甲は、日頃から暴行を加えて自己の意のままに従わせて万引きをさせていた満12歳の実子Xに対し、これまでと同様に万引きを命じて実行させた。この場合、Xが非善悪の判断能力を有する者であれば、甲に、窃盗罪の間接正犯は成立せず、Xとの間で同罪の共同正犯が成立する。
判例は、被害者が非善悪の判断能力を有していても、意思を抑圧して利用した場合には、共同正犯ではなく間接正犯の成否を問題にする。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
甲は、Xが管理する工事現場に保管されている同人所有の機械を、同人に成り済まして、甲をXであると誤信した中古機械買取業者Yに売却し、同人に同機械を同所から搬出させた。この場合、甲に、Xに対する窃盗罪の間接正犯が成立する。
判例は、被害者を装って第三者を欺き、その者に財物搬出をさせるなどして占有移転を実現した場合、窃盗の間接正犯を認めている。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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全体要旨
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