刑法 第14問
教材: 刑法①
司法試験 H21 第4問
論点: 間接正犯
問題
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公式解答
2
正誤・解説
1 /
甲は、日ごろから暴行を加えて自己の意のままに従わせていた12歳の乙に対し、寺院のさい銭箱から現金を盗んでくるように指示したところ、乙は、是非善悪の判断能力を有していたものの、甲の日ごろの言動に畏怖してその意思が抑圧されていたため、甲の指示どおりに窃盗を行った。この場合、乙に是非善悪の判断能力があると認められる以上、甲には窃盗罪の共同正犯が成立する。
判例は、是非善悪の判断能力があっても、意思が抑圧されていれば、利用した側に窃盗罪の間接正犯が成立し得るとする。共同正犯とするのは誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、乙所有の材木を自己の所有物であると偽って情を知らない丙に売却し、丙は、この材木置場から当該材木を搬出した。この場合、情を知らないことにつき丙に過失があったとしても、甲は窃盗罪の正犯となる。
情を知らない者を利用して財物を搬出させた場合、利用者が窃盗の正犯となる。相手方に過失があっても結論は変わらないとされる。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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3 /
甲は、12歳の乙に対し、丙から現金を強取してくるように指示したところ、乙は、是非善悪の判断能力を有していたものの、甲の指示どおりに強盗を実行した。この場合、甲の指示は、乙の意思を抑圧するに足る程度のものではなく、乙が自らの意思により前記強盗の実行を決意した上、臨機応変に対処して強盗を遂げたとしても、乙が刑事未成年である以上、甲には強盗罪の間接正犯が成立する。
刑事未成年であることだけでは足りず、意思抑圧の程度や行為支配が問題となる。自ら決意して実行したなら間接正犯は否定され、共同正犯の成否が問題となる。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法60条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法60条―現行条文本文
第六十条 (共同正犯)
二人以上共同して犯罪を実行した者は、すべて正犯とする。
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4 /
甲は、乙に執拗に暴行・脅迫を加えた結果、同人を厳冬期に渓谷の岸壁から自動車ごと海中に転落して自殺する以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせた上、同人に上記態様で自殺するよう指示し、乙は、甲の指示に従って、自殺することを決意し、自ら上記態様で海中に転落して溺死した。この場合、甲は自ら殺人の実行行為を行ったとはいえないので、殺人罪の正犯とならない。
被害者の意思決定を支配して自殺に追い込むなど、実行行為を被害者の身体を介して行わせた場合は、間接正犯として殺人罪が成立し得る。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
甲は、乙に対し、同人が自殺すれば甲もその直後に後を追って自殺する旨をつき、乙は、その言葉を真実と信じて自殺することを決意し、甲から受け取った毒薬を服用して死亡した。この場合、乙に真実自殺する意思がある以上、甲には自殺教唆罪が成立するにとどまり、殺人罪の正犯とはならない。
真意を秘して被害者に自殺を決意させた場合、被害者の自由な意思に基づくとはいえず、殺人罪が成立し得る。自殺教唆にとどまるとはいえない。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法202条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法202条―現行条文本文
第二百二条 (自殺関与及び同意殺人)
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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