刑事訴訟法 第346問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第36問
論点: 鑑定書の取調べ手続
問題
問題画像


抽出問題文を表示
【見解】
Ⅰ.裁判所は、当事者の取調べ請求を待たず、鑑定書を公判廷において取り調べる必要がある。
Ⅱ.裁判所は、鑑定書を公判廷において取り調べるためには、原則として、当事者からその取調べ請求を受ける必要がある。
【記述】
ア.Ⅰ説は、鑑定書が公判準備における鑑定人の尋問の結果を記載した書面と実質上何ら変わりがないとして、公判準備における証人尋問等の結果を記載した書面の取調べ手続と同様にすべきと考えるものである。
イ.Ⅱ説は、鑑定書の取調べを当事者の意思にかからしめることが証拠調べにおける当事者主義からみて当然のことであると考えるものである。
ウ.Ⅰ説は、裁判所が鑑定書による報告を命じたことにつき、当然その鑑定書の取調べを予定しているものと考える。
エ.Ⅱ説によれば、鑑定請求をした弁護人が、鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合、その請求は、鑑定書を取り調べることに同意する旨の意見と解することになる。
オ.Ⅰ説によれば、弁護人及び検察官のいずれもが、鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べた場合、裁判所は、職権で、刑事訴訟法第321条第4項の手続を履践すべく、鑑定人を証人として尋問する旨の決定をしなければならない。
カ.Ⅱ説によれば、鑑定請求をした弁護人が、鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べ、検察官が、鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合、検察官は、裁判所に鑑定書を取り調べてもらうためには、刑事訴訟法第321条第4項の立証手続として鑑定人を証人として尋問する旨の請求をする必要がある。
公式解答
2. アエ
正誤・解説
1 /
Ⅰ説は、鑑定書が公判準備における鑑定人の尋問の結果を記載した書面と実質上何ら変わりがないとして、公判準備における証人尋問等の結果を記載した書面の取調べ手続と同様にすべきと考えるものである。
Ⅰ説は、裁判所が鑑定書を当然に公判廷で取り調べるべきだとする立場であり、公判準備における尋問結果の書面と同視して同様の取調べ手続をとる考え方ではない。
根拠条文:刑事訴訟法303条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法303条―現行条文本文
第三百三条
公判準備においてした証人その他の者の尋問、検証、押収(電磁的記録提供命令(第百二条の二第一項第一号イに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)を含む。)、捜索及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)(当該電磁的記録提供命令により電磁的記録を提供させることを含む。)の結果を記載した書面並びに押収した物及び電磁的記録提供命令(同号ロに掲げる方法による提供を命ずるものに限る。)により提供させた電磁的記録を記録した記録媒体については、裁判所は、公判期日において証拠書類又は証拠物としてこれを取り調べなければならない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
2 /
Ⅱ説は、鑑定書の取調べを当事者の意思にかからしめることが証拠調べにおける当事者主義からみて当然のことであると考えるものである。
Ⅱ説は、鑑定書の取調べには当事者の取調べ請求が原則必要であり、証拠調べを当事者の意思に委ねる当事者主義に立つ考え方と説明されている。
3 /
Ⅰ説は、裁判所が鑑定書による報告を命じたことにつき、当然その鑑定書の取調べを予定しているものと考える。
Ⅰ説は、裁判所自ら鑑定を命じた以上、その鑑定書は当然に取り調べることを予定していると考える立場として整理されている。
4 /
Ⅱ説によれば、鑑定請求をした弁護人が、鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合、その請求は、鑑定書を取り調べることに同意する旨の意見と解することになる。
Ⅱ説では、その意見は「鑑定書の取調べ請求」とみられ、直ちに同意の意思とまでは解されない。なお、取調べには別途、証拠調べの手続が問題となる。
根拠条文:刑事訴訟法298条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法326条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法298条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法326条第1項―現行条文本文
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
5 /
Ⅰ説によれば、弁護人及び検察官のいずれもが、鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べた場合、裁判所は、職権で、刑事訴訟法第321条第4項の手続を履践すべく、鑑定人を証人として尋問する旨の決定をしなければならない。
Ⅰ説では、当事者が鑑定書の取調べ請求をしない場合でも、裁判所は職権で321条4項の手続を進め、鑑定人を証人として尋問する決定を要するとされている。
根拠条文:刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
6 /
Ⅱ説によれば、鑑定請求をした弁護人が、鑑定書の取調べ請求をしない旨の意見を述べ、検察官が、鑑定書の取調べ請求をする旨の意見を述べた場合、検察官は、裁判所に鑑定書を取り調べてもらうためには、刑事訴訟法第321条第4項の立証手続として鑑定人を証人として尋問する旨の請求をする必要がある。
Ⅱ説では、弁護人が請求しないと述べても検察官が請求するなら、裁判所に鑑定書を取り調べてもらうには321条4項の立証手続として鑑定人尋問の請求が必要とされる。
根拠条文:刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。