刑事訴訟法 第339問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第25問
論点: 勾留
問題
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【事例】
甲は、平成22年4月1日午前9時50分、H県I市内において、司法警察員から職務質問を受けた際、所持品の検査に応じ、「窃盗の目的でVの邸宅に侵入するのに使用するため、ガラス切りを隠して携帯していた」旨を述べてガラス切りを所携のバッグから取り出したものの、住居については、一切答えなかった。そこで、司法警察員は、甲の住居が明らかでない上、甲に軽犯罪法違反(同法第1条第3号違反)に該当する「正当な理由がなくてガラス切りを隠して携帯していた」事実が認められたことから、同日午前10時、同事実により甲を現行犯逮捕した。その後の捜査により、甲が窃盗を行っていたことも判明したものの、依然として、甲の住居は判明しなかった。司法警察員は、同月3日午前9時30分、甲の身柄とともに軽犯罪法違反及び窃盗の両事実をH区検察庁検察官に送致する手続をした。その後、検察官は、同日午前10時30分、送致された甲を受け取った。
公式解答
21121
正誤・解説
ア /
検察官は、甲を勾留請求する場合、これを平成22年4月4日午前10時30分までに行えば足りる。
現行犯逮捕後に被疑者を受け取った場合の勾留請求期限は、受取時から24時間以内かつ身体拘束時から72時間以内の制限を受ける。よって、送致受領時から3日後の午前10時30分までとはいえない。
根拠条文:刑事訴訟法205条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法205条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法216条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法203条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法205条第1項―現行条文本文
検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
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刑事訴訟法205条第2項―現行条文本文
前項の時間の制限は、被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。
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刑事訴訟法216条―現行条文本文
第二百十六条
現行犯人が逮捕された場合には、第百九十九条の規定により被疑者が逮捕された場合に関する規定を準用する。
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刑事訴訟法203条第1項―現行条文本文
司法警察員は、逮捕状により被疑者を逮捕したとき、又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは、直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任することができる旨を告げた上、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束された時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。
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イ /
検察官は、軽犯罪法違反の事実のみならず窃盗の事実も併せて甲を勾留請求することができる。
勾留請求は同一事実についてされるのが原則だが、ここでは軽犯罪法違反と窃盗が併合罪の関係にあり、同一事件として扱えるため、併せて勾留請求できる。
根拠条文:刑事訴訟法205条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法312条第1項・e-Govで法令を開く刑法45条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法205条第1項―現行条文本文
検察官は、第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは、弁解の機会を与え、留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し、留置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。
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刑事訴訟法312条第1項―現行条文本文
裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
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刑法45条―現行条文本文
第四十五条 (併合罪)
確定裁判を経ていない二個以上の罪を併合罪とする。
ある罪について拘禁刑以上の刑に処する確定裁判があったときは、その罪とその裁判が確定する前に犯した罪とに限り、併合罪とする。
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ウ /
検察官は、甲につき、逮捕されている軽犯罪法違反の事実のみで略式命令を請求する場合、甲に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確かめなければならない。
略式命令請求前には、被疑者に対して略式手続の説明と、通常手続による審判を受けることができる旨の告知、略式手続に異議がないかの確認が必要である。
根拠条文:刑事訴訟法461条の2第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法461条の2第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法461条の2第1項―現行条文本文
検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
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刑事訴訟法461条の2第2項―現行条文本文
被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。
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エ /
検察官は、平成22年4月3日、軽犯罪法違反の事実のみで甲を公判請求する場合、勾留状が発付されていないので甲を釈放した上で公判請求しなければならない。
現行犯逮捕後の被疑者について、24時間以内に公訴提起したときは勾留請求を要しない。したがって、勾留状がないことだけを理由に必ず釈放してから公判請求するとはいえない。
根拠条文:刑事訴訟法205条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法280条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法205条第3項―現行条文本文
前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは、勾留の請求をすることを要しない。
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刑事訴訟法280条第2項―現行条文本文
第百九十九条若しくは第二百十条の規定により逮捕され、又は現行犯人として逮捕された被疑者でまだ勾留されていないものについて第二百四条又は第二百五条の時間の制限内に公訴の提起があつた場合には、裁判官は、速やかに、被告事件を告げ、これに関する陳述を聴き、勾留状を発しないときは、直ちにその釈放を命じなければならない。
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オ /
検察官は、平成22年4月3日、軽犯罪法違反の事実のみならず窃盗の事実も併せて甲を公判請求する場合、簡易裁判所ではなく地方裁判所に対して行うこともできる。
軽犯罪法違反は簡易裁判所の事物管轄だが、窃盗は地方裁判所・簡易裁判所双方の事物管轄が及び、関連事件は上級の裁判所で併合審理できるため、地方裁判所への公判請求も可能である。
根拠条文:刑事訴訟法24条第2号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法33条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法1条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法1条第3号・e-Govで法令を開く刑法9条・e-Govで法令を開く刑法10条・e-Govで法令を開く刑法3条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法24条第2号―現行条文本文
第二十四条
訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。
この場合には、前条第三項の規定を適用しない。
第二十二条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。
前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。
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刑事訴訟法33条第1項―現行条文本文
被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。
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刑事訴訟法1条―現行条文本文
第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
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刑事訴訟法1条第3号―現行条文本文
第一条
この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。
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刑法9条―現行条文本文
第九条 (刑の種類)
死刑、拘禁刑、罰金、拘留及び科料を主刑とし、没収を付加刑とする。
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刑法10条―現行条文本文
第十条 (刑の軽重)
主刑の軽重は、前条に規定する順序による。
同種の刑は、長期の長いもの又は多額の多いものを重い刑とし、長期又は多額が同じであるときは、短期の長いもの又は寡額の多いものを重い刑とする。
二個以上の死刑又は長期若しくは多額及び短期若しくは寡額が同じである同種の刑は、犯情によってその軽重を定める。
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刑法3条第1項―現行条文本文
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一 第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二 第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三 第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四 第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五 第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条まで(不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、不同意わいせつ等致死傷)並びに第百八十四条(重婚)の罪
六 第百九十八条(贈賄)の罪
七 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
八 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
九 第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
十 第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄等致死傷)の罪
十一 第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
十二 第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
十三 第二百三十条(名誉毀損)の罪
十四 第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第二百三十八条から第二百四十条まで(事後強盗、昏こん酔強盗、強盗致死傷)、第二百四十一条第一項及び第三項(強盗・不同意性交等及び同致死)並びに第二百四十三条(未遂罪)の罪
十五 第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
十六 第二百五十三条(業務上横領)の罪
十七 第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪
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