刑事訴訟法 第321問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H25 第39問
論点: 控訴
問題
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ア. 控訴裁判所は、事後審なので、原判決の言渡し後に生じた刑の量定に影響を及ぼすべき情状について取り調べることはできない。
イ. 簡易裁判所がした刑事第一審の判決に対する控訴については、地方裁判所ではなく、高等裁判所が裁判権を有する。
ウ. 控訴裁判所は、被告人のみが控訴をした事件について、原判決の認定した事実に誤認があると認める場合には、それより被告人に不利益な事実を認定することができる場合もある。
エ. 控訴審では、第一審の公判手続に関する規定が準用されるので、被告人は、公判期日において、控訴趣意書に基づき自ら弁論をすることができる。
オ. 第一審における弁護人は、判決の宣告により弁護人の選任の効力が失われるので、被告人のため控訴をすることができず、控訴をするには改めて弁護人として選任される必要がある。
公式解答
3. イ ウ
正誤・解説
ア /
控訴裁判所は、事後審なので、原判決の言渡し後に生じた刑の量定に影響を及ぼすべき情状について取り調べることはできない。
控訴審は事後審でも、量刑に影響する事情で原判決後に生じたものを考慮できる。したがって、「取り調べることはできない」とするのは誤り。
根拠条文:刑事訴訟法393条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法393条第2項―現行条文本文
控訴裁判所は、必要があると認めるときは、職権で、第一審判決後の刑の量定に影響を及ぼすべき情状につき取調をすることができる。
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イ /
簡易裁判所がした刑事第一審の判決に対する控訴については、地方裁判所ではなく、高等裁判所が裁判権を有する。
簡易裁判所の刑事第一審判決への控訴は、高等裁判所が裁判権を有する。条文上、地方裁判所の裁判権からは除外されている。
根拠条文:刑事訴訟法24条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法24条第3号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法16条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法16条第1号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法24条―現行条文本文
第二十四条
訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。
この場合には、前条第三項の規定を適用しない。
第二十二条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。
前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。
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刑事訴訟法24条第3号―現行条文本文
第二十四条
訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。
この場合には、前条第三項の規定を適用しない。
第二十二条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。
前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。
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刑事訴訟法16条―現行条文本文
第十六条
法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。
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刑事訴訟法16条第1号―現行条文本文
第十六条
法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。
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ウ /
控訴裁判所は、被告人のみが控訴をした事件について、原判決の認定した事実に誤認があると認める場合には、それより被告人に不利益な事実を認定することができる場合もある。
被告人のみの控訴事件では不利益変更禁止が問題となるが、原判決の事実誤認を是正する場面では、被告人に不利益な認定が許される場合がある。
根拠条文:刑事訴訟法402条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法402条―現行条文本文
第四百二条
被告人が控訴をし、又は被告人のため控訴をした事件については、原判決の刑より重い刑を言い渡すことはできない。
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エ /
控訴審では、第一審の公判手続に関する規定が準用されるので、被告人は、公判期日において、控訴趣意書に基づき自ら弁論をすることができる。
控訴審でも被告人には弁論の機会はあるが、控訴趣意書に基づいて「自ら弁論をすることができる」とまではいえない。条文は被告人のため弁論は弁護人によることを前提としている。
根拠条文:刑事訴訟法388条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法388条―現行条文本文
第三百八十八条
控訴審では、被告人のためにする弁論は、弁護人でなければ、これをすることができない。
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オ /
第一審における弁護人は、判決の宣告により弁護人の選任の効力が失われるので、被告人のため控訴をすることができず、控訴をするには改めて弁護人として選任される必要がある。
判決宣告で弁護人選任の効力が当然に失われるわけではなく、第一審の弁護人が被告人のために上訴することもできる。よって再選任は不要。
根拠条文:刑事訴訟法355条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法355条―現行条文本文
第三百五十五条
原審における代理人又は弁護人は、被告人のため上訴をすることができる。
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全体要旨
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