刑事訴訟法 第314問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H21 第39問(改)
論点: 一事不再理効の及ぶ範囲
問題
問題画像


抽出問題文を表示
【見解】
I.訴因に記載された事実のみを基礎として両者が併合罪関係にあり一罪を構成しない場合には、公訴事実の単一性はない。
II.いずれの訴因の記載内容にもなっていないところの犯行の常習性という要素について証拠により心証形成をし、両者が常習特殊窃盗として包括的一罪を構成する場合には、公訴事実の単一性を肯定できる。
【事例】
甲は、平成○年2月2日にX宝石店から宝石を窃取した①事実と同年3月3日にY宝石店から宝石を窃取した②事実で、窃盗罪により起訴され、同年5月10日、裁判所において、窃盗罪により拘禁刑2年の実刑に処せられ、同判決は、同年5月24日に確定した。その後、甲が同年1月1日にZ宝石店から宝石を窃取した③事実が発覚し、甲は、同事実で窃盗罪により起訴された。裁判所は、公判審理の結果、③事実について窃盗罪として訴因の立証がなされており、①事実及び②事実と併合罪関係にあるものの、実体的には①ないし③事実について常習特殊窃盗罪を構成すると心証を形成した。】【記述】ア.Iの考え方に立つと、窃盗罪により有罪の判決をすべきである。イ.Iの考え方に立つと、免訴の判決をすべきである。ウ.Iの考え方に立つと、公訴棄却の判決をすべきである。エ.IIの考え方に立つと、常習特殊窃盗罪により有罪の判決をすべきである。オ.IIの考え方に立つと、免訴の判決をすべきである。カ.IIの考え方に立つと、公訴棄却の判決をすべきである。
公式解答
1. アオ
正誤・解説
I /
訴因に記載された事実のみを基礎として両者が併合罪関係にあり一罪を構成しない場合には、公訴事実の単一性はない。
Iは、訴因の記載事実だけで見ると両事件が別罪で併合罪関係にあり、一罪ではないなら、公訴事実の単一性を否定する考え方である。説明文でもこの立場では単一性なしとされている。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法39条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法337条第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法338条第4号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法339条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法326条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法39条―現行条文本文
第三十九条 (心神喪失及び心神耗弱)
心神喪失者の行為は、罰しない。
心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法337条第1号―現行条文本文
第三百三十七条
左の場合には、判決で免訴の言渡をしなければならない。
一 確定判決を経たとき。
二 犯罪後の法令により刑が廃止されたとき。
三 大赦があつたとき。
四 時効が完成したとき。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法338条第4号―現行条文本文
第三百三十八条
左の場合には、判決で公訴を棄却しなければならない。
一 被告人に対して裁判権を有しないとき。
二 第三百四十条の規定に違反して公訴が提起されたとき。
三 公訴の提起があつた事件について、更に同一裁判所に公訴が提起されたとき。
四 公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法339条第1項―現行条文本文
左の場合には、決定で公訴を棄却しなければならない。
一 第二百七十一条第二項の規定により公訴の提起がその効力を失つたとき。
二 起訴状に記載された事実が真実であつても、何らの罪となるべき事実を包含していないとき。
三 公訴が取り消されたとき。
四 被告人が死亡し、又は被告人たる法人が存続しなくなつたとき。
五 第十条又は第十一条の規定により審判してはならないとき。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法326条―現行条文本文
第三百二十六条
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。
但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
II /
いずれの訴因の記載内容にもなっていないところの犯行の常習性という要素について証拠により心証形成をし、両者が常習特殊窃盗として包括的一罪を構成する場合には、公訴事実の単一性を肯定できる。
IIは、訴因外の常習性まで証拠で認定して包括的一罪とみる立場で、この場合は公訴事実の単一性を肯定できるとしている。説明文でもこの考え方では常習特殊窃盗罪として判断するとされる。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法2条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法2条―現行条文本文
第二条 (すべての者の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一 削除
二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五 第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
六 第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
七 第百六十三条の二から第百六十三条の五まで(支払用カード電磁的記録不正作出等、不正電磁的記録カード所持、支払用カード電磁的記録不正作出準備、未遂罪)の罪
八 第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、公印偽造及び不正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに第百六十四条第二項、第百六十五条第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。