刑事訴訟法 第305問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H24 第37問(改)
論点: 有罪の言渡し
問題
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【事例】
外国人である甲、乙、丙、丁及び戊は、共謀の上、平成23年4月1日、H県I市内において、被害者Vに対し、その顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えてバッグ1個を強取したとして強盗罪によりH地方裁判所に起訴された。ちなみに、甲、乙、丙、丁及び戊は、いずれも、家庭裁判所に送致されることなく、成人として起訴された。その後、同年7月1日に開かれた第1回公判期日において、乙、丙、丁及び戊については、成人であることに間違いないことが確認されたが、甲については、18歳であることが判明した。また、同公判において、結審した。
裁判所は、甲、乙及び丙については、強盗罪の共同正犯と認定したが、丁については、『公訴事実記載どおり、甲、乙及び丙と共にVに対してその顔面を多数回殴打するなどの暴行を加えたことに間違いない。しかし、これは、Vを痛めつけるために行ったものであり、Vからバッグ1個を奪うためではない。Vからバッグ1個等財物を奪う話は誰からも聞いたこともない。』との丁の公判廷での供述のとおり、強盗罪の共謀までは認められず、前記強盗の手段である暴行につき、甲、乙及び丙と共に実行行為に関与したものとして共同暴行(暴力行為等処罰に関する法律1条違反)の共同正犯としてはじめの心証を抱いた。さらに、戊については、犯罪の証明がない旨の心証を抱いた。
公式解答
2. ア エ
正誤・解説
a /
裁判所は、少年であることが判明した甲については、決定をもって、事件を家庭裁判所に移送しなければならない。
被疑者が少年であっても、すでに公判が進行し結審している場面では、直ちに家庭裁判所へ移送すべきとはいえない。説明では、甲については家庭裁判所送致を要しないとしている。
根拠条文:少年法41条・e-Govを開く少年法42条第1項・e-Govを開く
少年法41条―現行条文本文
第四十一条 (司法警察員の送致)
司法警察員は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、罰金以下の刑にあたる犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、これを家庭裁判所に送致しなければならない。
犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
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少年法42条第1項―現行条文本文
検察官は、少年の被疑事件について捜査を遂げた結果、犯罪の嫌疑があるものと思料するときは、第四十五条第五号本文に規定する場合を除いて、これを家庭裁判所に送致しなければならない。
犯罪の嫌疑がない場合でも、家庭裁判所の審判に付すべき事由があると思料するときは、同様である。
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i /
裁判所は、乙につき、有罪の言渡しをするには、罪となるべき事実のみならず、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
有罪判決の理由としては、罪となるべき事実だけでなく、証拠の標目と法令の適用も示す必要がある。説明でも、刑訴法335条1項に基づきこの記述は正しいとしている。
根拠条文:刑事訴訟法335条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法335条第1項―現行条文本文
有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
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u /
裁判所は、丙につき、有罪の言渡しをするには、宣告により判決を告知する必要があり、宣告をせずに判決書謄本を丙に交付するだけでは、丙に判決を告知したことにならない。
判決の言渡しは、原則として公判廷での宣告によって行う。判決書謄本の交付だけでは足りず、この記述は正しい。
根拠条文:刑事訴訟法342条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法342条―現行条文本文
第三百四十二条
判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。
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e /
裁判所は、丁につき、強盗罪の訴因から暴力行為等処罰に関する法律違反の罪の訴因に変更する手続を採っていないことから、有罪の言渡しをする余地はない。
同一の実行行為に基づく範囲では、訴因変更なしにより軽い事実へ縮小認定できる場合がある。説明では、強盗罪の実行共同正犯の訴因中に共同暴行の事実が含まれるとして、この記述を誤りとしている。
根拠条文:刑事訴訟法335条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法342条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法336条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法335条第1項―現行条文本文
有罪の言渡をするには、罪となるべき事実、証拠の標目及び法令の適用を示さなければならない。
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刑事訴訟法342条―現行条文本文
第三百四十二条
判決は、公判廷において、宣告によりこれを告知する。
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刑事訴訟法336条―現行条文本文
第三百三十六条
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
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o /
裁判所は、戊につき、犯罪の証明がない場合には、決定ではなく、判決でしなければならない。
犯罪の証明がないとして無罪を言い渡す場合は、判決による。説明でも刑訴法336条を根拠に正しいとしている。
根拠条文:刑事訴訟法336条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法336条―現行条文本文
第三百三十六条
被告事件が罪とならないとき、又は被告事件について犯罪の証明がないときは、判決で無罪の言渡をしなければならない。
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全体要旨
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