刑事訴訟法 第298問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H18 第35問
論点: 証明力を争う証拠
問題
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【事例】
ア.犯人を目撃した証人Wの「自分が目撃した犯人は白いシャツを着ていた。」旨の証言に対し、Wとともに犯人を目撃したAの「犯人は黒いシャツを着ていた。」旨の司法警察員に対する供述調書により、Wの証言の証明力を争うこと
イ.犯人を目撃した証人Aの「被告人甲が犯行現場でVの胸をナイフで突き刺すのを見た。」旨の証言に対し、証人Aの「Wは、『犯行現場には行ったこともないし、甲の殺害行為を見たこともない。』と言っていた。」旨の証言により、Wの証言の証明力を争うこと
ウ.犯人を目撃した証人Wの「自分の目撃した犯人は被告人甲とは違う人間である。」旨の証言に対し、Wの友人Aの「Wは、『甲は、自分が経済的に困窮していたとき、生活費を出してくれるなど何かと面倒を見てくれた。』と言っていた。」旨の証言により、Wの証言の証明力を争うこと
エ.犯人を目撃した証人Aの「犯人は被告人乙である。」旨の証言が、Aの司法警察員に対する「犯人が被告人乙だとは断言できない。」旨の供述調書によって証明力が減殺された場合、証言内容と一致する内容のAの他の供述調書により、減殺された証明力を回復すること
オ.鑑定人Bの「被害者の死因は窒息死である。」旨の供述に対し、「Bが解剖時に『被害者の死因は心筋こうそくの可能性もある。』と述べた。」と述べるBの解剖に立ち会ったBの助手Aの証言により、Bの供述の証明力を争うこと
公式解答
21122
正誤・解説
a /
アは、①から③までのいずれの説を採っても、証拠として許容される。
アのAの供述は、Wの供述と異なる内容の供述を示すもので、①なら対象だが、②では純粋な補助事実に当たらず、③なら当然含まれる。したがって「いずれの説でも許容」は誤り。
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刑事訴訟法328条―現行条文本文
第三百二十八条
第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
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b /
イは、①から③までのいずれの説を採っても、証拠として許容される。
イは、Wの供述の信用性を争うための供述であり、①の自己矛盾供述、②の純粋な補助事実、③の広い立場のいずれでも328条による証拠化が認められる。
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刑事訴訟法328条―現行条文本文
第三百二十八条
第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
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c /
ウは、③説のみならず、②説によっても、証拠として許容される。
ウのAの証言は、Wの性格・利益関係に関する事情を示し、②のいう供述の信用性に関する純粋な補助事実に当たる。したがって②・③では許容される。
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第三百二十八条
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d /
エは、③の説を採った場合でなければ、証拠として許容されることはない。
エは、回復証拠の場面であり、①説では自己矛盾供述に限るため肯定しにくく、②説でも純粋な補助事実ではないため否定される。③説なら広く認められるため、記述は正しい。
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第三百二十八条
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e /
オは、③の説を採った場合でなければ、証拠として許容されることはない。
オは、鑑定人Bの供述の信用性を争うために、助手Aの証言でBの以前の発言を示すもの。①・②では限定があるが、③なら伝聞証拠も含めて広く認められる。
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第三百二十一条乃至第三百二十四条の規定により証拠とすることができない書面又は供述であつても、公判準備又は公判期日における被告人、証人その他の者の供述の証明力を争うためには、これを証拠とすることができる。
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