刑事訴訟法 第297問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H26 第33問
論点: 伝聞証拠への同意
問題
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【見解】
I.同意は、公判において供述者に対し反対尋問を行う権利を放棄することである。
II.同意は、公判において証拠能力を付与する訴訟行為である。
III.同意は、原供述時において供述者に対し反対尋問を行うことができなかったこと、あるいは原供述時において裁判所が供述者の供述態度を観察することができなかったことについて、責問権を放棄することである。
【記述】
ア.Iの見解に対しては、検察官が請求した被告人以外の者の供述調書について、被告人側がこれを同意した上で、その証明力を争うために供述者の証人尋問を請求することができないことになるという批判がある。
イ.Iの見解に対しては、捜索差押手続が違法であっても、同意をすれば、同手続の捜索差押調書は証拠能力を有することになるという批判がある。
ウ.IIの見解に対しては、伝聞法則を反対尋問権の保障の観点からしか理解しておらず、裁判所による供述態度の観察という直接主義の観点が欠落しているという批判がある。
エ.IIの見解に対しては、同意の性質が伝聞証拠が排除される趣旨と関連しなくなり、刑事訴訟法第326条が同法第320条第1項で排除される伝聞証拠について証拠能力を認める規定となっていることと乖離ないという批判がある。
オ.IIIの見解に対しては、刑事訴訟法第326条第1項が被告人の供述調書についても規定していることを説明できないという批判がある。
公式解答
2. ア エ
正誤・解説
I /
同意は、公判において供述者に対し反対尋問を行う権利を放棄することである。
本肢は誤り。説明では、Iの見解は「公判において供述者に対し反対尋問を行う権利を放棄する」とする立場であり、その見解への批判として、同意をすれば証人尋問請求ができなくなる点が問題とされている。
根拠条文:刑事訴訟法326条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法326条―現行条文本文
第三百二十六条
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。
但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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II /
同意は、公判において証拠能力を付与する訴訟行為である。
本肢は正しい。説明では、Ⅱは同意を「公判において証拠能力を付与する訴訟行為」とみる立場であり、その見解に対する批判が各記述で問題になっている。
根拠条文:刑事訴訟法326条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法320条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法326条―現行条文本文
第三百二十六条
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。
但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
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刑事訴訟法320条第1項―現行条文本文
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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III /
同意は、原供述時において供述者に対し反対尋問を行うことができなかったこと、あるいは原供述時において裁判所が供述者の供述態度を観察することができなかったことについて、責問権を放棄することである。
本肢は誤り。説明では、Ⅲの見解は被告人の供述調書についても第326条第1項が予定している点を説明しにくいとして批判されている。
根拠条文:刑事訴訟法326条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法326条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法326条―現行条文本文
第三百二十六条
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
被告人が出頭しないでも証拠調を行うことができる場合において、被告人が出頭しないときは、前項の同意があつたものとみなす。
但し、代理人又は弁護人が出頭したときは、この限りでない。
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刑事訴訟法326条第1項―現行条文本文
検察官及び被告人が証拠とすることに同意した書面又は供述は、その書面が作成され又は供述のされたときの情況を考慮し相当と認めるときに限り、第三百二十一条乃至前条の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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全体要旨
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