刑事訴訟法 第292問
教材: 刑事訴訟法②
予備試験 H28 第22問
論点: 各種書面の証拠能力
問題
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【会話】
教授:刑事訴訟法第321条第3項の「検証の結果を記載した書面」に、捜査機関が任意捜査として行う実況見分の結果を記載した書面(以下「実況見分調書」という。)が含まれるかについて、あなたはどのように考えますか。
学生:私は、実況見分調書も含まれると考えます。検証と実況見分は、①(a. いずれも弁護人の立会権が明文で認められており b. いずれも客観的・技術的性質を有しており)虚偽が入る余地が少ないと考えるからです。
教授:次に、私人が作成した書面について、刑事訴訟法第321条第3項の準用又は類推が認められるかについて、あなたはどのように考えますか。
学生:私は、認められると考えます。ただし、私人が作成した書面全般に準用又は類推を認めるべきではなく、私は、②(a. 捜査機関の実況見分に準ずるだけの客観性・業務性が認められるときは b. 特別の学識経験に基づいた報告であれば)準用又は類推を認めてよいと考えています。
教授:火災原因の調査を行う会社に勤める元消防士で、通算約20年間火災原因の調査・判定に携わった経験のある私が、焼災実験を行ってその考察結果を報告した書面の証拠能力について、判例はどのような判断を示しましたか。
学生:判例は、③(a. 刑事訴訟法第321条第3項の準用により証拠能力を有する b. 刑事訴訟法第321条第3項の準用は否定されるが、同条第4項の準用により証拠能力を有する)旨の判断を示しました。
教授:では、医師が作成する診断書について、判例は、どの条文を根拠に証拠能力を認めていますか。
学生:④(a. 刑事訴訟法第321条第3項 b. 刑事訴訟法第321条第4項)を根拠としています。
教授:また、判例によれば、酒酔い鑑識カードの化学判定欄及び被疑者の言語、動作、酒臭、外貌、態度等の外部的状態に関する各記載はいずれも刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められるとされていますが、更に警察官が被疑者に質問を行い、これに対する被疑者の応答を記載した部分について、判例はどのように述べていますか。
学生:⑤(a. 化学判定欄等と一体となって刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められる b. 警察官作成の捜査報告書なる性質のものとして刑事訴訟法第321条第1項第3号により証拠能力が認められる)と述べています。
公式解答
21222
正誤・解説
① /
検証と実況見分は、a. いずれも弁護人の立会権が明文で認められており / b. いずれも客観的・技術的性質を有しており
判例の理解としては、検証と実況見分はいずれも客観的・技術的な性質を有し、虚偽が入りにくい点が重視されます。弁護人立会権が明文で認められていることを理由とするのではありません。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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② /
私人が作成した書面について、a. 捜査機関の実況見分に準ずるだけの客観性・業務性が認められるときは / b. 特別の学識経験に基づいた報告であれば
私人作成書面でも、単なる私的意見ではなく、実況見分に準ずる客観性・業務性がある場合に、321条3項の準用・類推を認める方向で整理されています。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第3号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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刑事訴訟法321条第1項第3号―現行条文本文
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
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③ /
火災原因調査の経験者が焼災実験の考察結果を報告した書面について、a. 刑事訴訟法第321条第3項の準用により証拠能力を有する / b. 刑事訴訟法第321条第3項の準用は否定されるが、同条第4項の準用により証拠能力を有する
判例は、その書面の性質・作成経緯から、321条3項の準用により証拠能力を認めています。321条4項の準用を認めたのではなく、3項の枠内で判断しています。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第3号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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刑事訴訟法321条第1項第3号―現行条文本文
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
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④ /
医師が作成する診断書について、a. 刑事訴訟法第321条第3項 / b. 刑事訴訟法第321条第4項
診断書については、判例は321条4項を根拠に証拠能力を認めています。321条3項ではなく、同条4項が用いられる点を押さえます。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第3号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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刑事訴訟法321条第1項第3号―現行条文本文
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
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⑤ /
酒酔い鑑識カードの被疑者応答部分について、a. 化学判定欄等と一体となって刑事訴訟法第321条第3項により証拠能力が認められる / b. 警察官作成の捜査報告書なる性質のものとして刑事訴訟法第321条第1項第3号により証拠能力が認められる
被疑者応答部分は、鑑識カード全体の一部として321条3項で扱うのではなく、警察官作成の捜査報告書的性質を有する部分として321条1項3号により証拠能力が認められると整理されています。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第4項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第3号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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刑事訴訟法321条第4項―現行条文本文
鑑定の経過及び結果を記載した書面で鑑定人の作成したものについても、前項と同様である。
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三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
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