刑事訴訟法 第291問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第35問
論点: 刑訴法321条1項書面
問題
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刑事訴訟法第321条第1項の書面に関する次のアからオまでの各記述
公式解答
4. ウ エ
正誤・解説
p1 /
公判廷に証人として出廷した者が、捜査段階で検察官に対して供述した内容と相反する供述をしたとき、その者の検察官の前における供述を録取した書面については、その検察官の前における供述が特に信用すべき状況の下にされたものであるときでなければ証拠能力は認められない。
321条1項1号の問題。検察官面前調書は、供述が公判供述と相反する場合などに、特信状況が必要となるが、アは「証人として出廷した者」が捜査段階の供述と相反した場合に一律に特信状況が必要とする点で不正確。
根拠条文:刑事訴訟法321条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第1項―現行条文本文
被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
ただし、その供述が特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限る。
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刑事訴訟法321条第1項第1号―現行条文本文
一 裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
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刑事訴訟法321条第1項第2号―現行条文本文
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
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p2 /
刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の前における供述を録取した書面」は、当該事件に関して作成されたものに限られるから、他の事件の公判廷における証人の供述を録取したものは含まれない。
判例は「当該事件に関して作成されたもの」に限られず、他事件の公判廷での証人供述を録取した書面も含み得るとしている。設問はこれを否定しているので誤り。
根拠条文:刑事訴訟法321条第1項第1号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第1項第1号―現行条文本文
一 裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
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p3 /
刑事訴訟法第321条第1項の「その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき」とは、供述不能の制限的な事由ではなく、例示的な事由であるから、証人が、公判期日に証言拒絶権を行使して証言を拒んだときも、これに該当する。
判例は「死亡等」の事情は例示的で、同等以上に尋問不能となる場合も含むとする。証言拒絶権の行使により結果として供述できないときも含まれ得るので正しい。
根拠条文:刑事訴訟法321条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第1項第2号―現行条文本文
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
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p4 /
裁判所が証人尋問の決定をした外国人について、証人尋問の実施前に退去強制が行われた場合、その者の検察官に対する供述調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号前段に基づいて証拠とすることは、許容されないことがある。
判例は、退去強制前の事情などによっては、検察官面前調書を当然に証拠化することはできず、事案によっては許されないことがあるとしている。
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刑事訴訟法321条第1項第2号―現行条文本文
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
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p5 /
被告人には黙秘権の保障があり、かつ、宣誓及び偽証罪の制裁を欠くのであるから、乙を被告人とする贈賄被告事件の公判調書中、被告人としての乙の供述を録取した部分は、甲を被告人とする収賄被告事件において、刑事訴訟法第321条第1項第1号の「裁判官の前における供述を録取した書面」には該当しない。
判例は、他事件の公判調書中の被告人供述部分でも、321条1項1号の「裁判官の前における供述を録取した書面」に当たるとする。被告人供述だから当然に除外されるわけではない。
根拠条文:刑事訴訟法321条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法321条第1項第2号・e-Govで法令を開く
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被告人以外の者が作成した供述書又はその者の供述を録取した書面で供述者の署名若しくは押印のあるものは、次に掲げる場合に限り、これを証拠とすることができる。
一 裁判官の面前(映像と音声の送受信により相手の状態を相互に認識しながら通話をすることができる方法による場合を含む。次号において同じ。)における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は供述者が公判準備若しくは公判期日において前の供述と異なつた供述をしたとき。
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
三 前二号に掲げる書面以外の書面については、供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明又は国外にいるため公判準備又は公判期日において供述することができず、かつ、その供述が犯罪事実の存否の証明に欠くことができないものであるとき。
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二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
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全体要旨
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