刑事訴訟法 第278問
教材: 刑事訴訟法②
予備試験 R03 第23問
論点: 伝聞法則
問題
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【事例】
甲は、「令和2年12月5日午前1時頃、H市内のI公園内で、ゴルフクラブでVを殴打して殺した。」との殺人の事実により、H地方裁判所に起訴された。公判において、犯行の目撃者A、甲の妻B、甲の知人Cの証人尋問が、それぞれ実施された。
【記述】
ア。Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
イ。Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
ウ。Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
エ。Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
オ。Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
公式解答
4. ウ エ
正誤・解説
ア /
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「甲がVに借金をしていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
要証事実が「甲がVに借金をしていたこと」であれば、Aの証言は、会話の内容そのものからその事実を立証しようとするものになるため、伝聞証拠に当たる。
根拠条文:刑事訴訟法320条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法320条第1項―現行条文本文
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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イ /
Aの、「話をしていた2人のうち1人が『甲、お前に貸した金を早く返せ。』と言うと、言い争いになり、その後、言われた方がもう一方に棒のようなものを振り下ろした。」旨の証言は、要証事実を「犯人がVから甲と呼ばれていたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
この場合は、Aが法廷で見聞きした会話状況から、当該人物が「甲」と呼ばれていたことを示すもので、供述内容の真実性を問題にするものではない。したがって伝聞証拠ではない。
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第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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ウ /
Bの、「令和2年12月1日午後1時頃、自宅において、甲から『探していたゴルフクラブを家の物置で見つけた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「甲が犯行時点よりも前からゴルフクラブを所持していたこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
甲の発言内容を、甲が犯行前からゴルフクラブを所持していたことの立証に用いるので、供述内容の真実性が問題となる。よって伝聞証拠に当たる。
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第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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エ /
Bの、「令和2年12月8日午後3時頃、自宅において、甲から『3日前の午前1時頃、H市内のI公園で、Vをゴルフクラブで殴り殺した。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vを殺したのが甲であったこと」とした場合、伝聞証拠に当たる。
甲の自白内容を、甲が犯人であることの立証に用いるため、供述内容の真実性が問題となる。したがって伝聞証拠に当たる。
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刑事訴訟法320条第1項―現行条文本文
第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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オ /
Cの、「令和2年12月7日午後5時頃、甲から電話があり、『2日前の午前1時頃には、俺は自宅でテレビ番組を見ていた。』と言われた。」旨の証言は、要証事実を「Vが殺されたとき甲が自宅にいたこと」とした場合、伝聞証拠に当たらない。
甲の発言を、そのとおりのアリバイ事実の証明に使うので、供述内容の真実性が問題となる。したがって伝聞証拠に当たる。
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第三百二十一条乃至第三百二十八条に規定する場合を除いては、公判期日における供述に代えて書面を証拠とし、又は公判期日外における他の者の供述を内容とする供述を証拠とすることはできない。
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全体要旨
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