刑事訴訟法 第269問
教材: 刑事訴訟法②
予備試験 R06 第24問
論点: 共犯者の自由
問題
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【設問】
① 被告人が犯行を否認している場合、被告人と共に犯行を行った旨の共犯者の自白のみによって被告人を有罪とすることが許されるか。
② 共犯者だけでなく、被告人も犯行を行ったことを認めている場合、共犯者の自白のみに被告人の自白を補強して被告人を有罪とすることが許されるか。
【結論】
I.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許されない。
II.①の場合には、被告人を有罪とすることが許されないが、②の場合には、被告人を有罪とすることが許される。
III.①及び②のいずれの場合も、被告人を有罪とすることが許される。
【記述】
ア.共犯者に対しては反対尋問が可能であり、反対尋問を経ない被告人の自白より反対尋問を経た共犯者の自白の方が強いのは当然であると考えると、結論Iに結び付きやすい。
イ.刑事訴訟法319条2項の規定は、自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきであると考えると、結論Iに結び付きやすい。
ウ.結論IIとする立場は、憲法38条3項の「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えることになる。
エ.自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法319条2項の規定の趣旨からすれば、被告人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると、結論IIIに結び付きやすい。
オ.結論IIIとする立場に対しては、ほかに補強証拠がない限り、否認した被告人が有罪、自白した共犯者が無罪になるという非常識な結論が生じかねないとの批判がある。
公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
1 /
共犯者に対しては反対尋問が可能であり、反対尋問を経ない被告人の自白より反対尋問を経た共犯者の自白の方が強いのは当然であると考えると、結論Iに結び付きやすい。
共犯者の供述は反対尋問を経るため信用性が高いとみて、共犯者の自白だけで被告人を有罪にできるとする立場は、①②いずれも有罪不可とする結論Iに結びつく。
根拠条文:刑事訴訟法318条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法319条・e-Govで法令を開く日本国憲法38条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法318条―現行条文本文
第三百十八条
証拠の証明力は、裁判官の自由な判断に委ねる。
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刑事訴訟法319条―現行条文本文
第三百十九条
強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
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日本国憲法38条第3項―現行条文本文
何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
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刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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2 /
刑事訴訟法319条2項の規定は、自由心証主義の例外であるから限定的に解すべきであると考えると、結論Iに結び付きやすい。
319条2項は自由心証主義の例外なので、厳格に解する考え方では共犯者の自白を被告人自白と同視しにくく、結論Iに結びつく。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法319条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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刑事訴訟法319条―現行条文本文
第三百十九条
強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
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3 /
結論IIとする立場は、憲法38条3項の「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるのは、被告人が否認し、共犯者が自白している場合に限られると考えることになる。
結論IIは、本人の自白に共犯者の自白が含まれるのを「被告人が否認し、共犯者が自白している場合」に限ると整理する立場として説明されている。
根拠条文:日本国憲法38条第3項・e-Govで法令を開く
日本国憲法38条第3項―現行条文本文
何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
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4 /
自白の証明力の過大評価を防止するという刑事訴訟法319条2項の規定の趣旨からすれば、被告人の自白と共犯者の自白を区別する理由がないと考えると、結論IIIに結び付きやすい。
自白偏重を防ぐ趣旨から、被告人自白と共犯者自白を区別しないなら、両者の自白で有罪を認める結論IIIに結びつく。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法319条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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刑事訴訟法319条―現行条文本文
第三百十九条
強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
結論IIIとする立場に対しては、ほかに補強証拠がない限り、否認した被告人が有罪、自白した共犯者が無罪になるという非常識な結論が生じかねないとの批判がある。
結論IIIを採ると、補強証拠がない場合に、否認した被告人だけが有罪となり、自白した共犯者が無罪となるという不自然な結果になりうる、という批判が示されている。
根拠条文:日本国憲法38条第3項・e-Govで法令を開く
日本国憲法38条第3項―現行条文本文
何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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全体要旨
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