刑事訴訟法 第268問
教材: 刑事訴訟法②
予備試験 H28 第23問
論点: 共犯者の自由
問題
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次の【会話】は、乙と共謀の上、丙を殺害したという事件で起訴された甲の公判において、「甲の指示により丙を殺害した。」旨のこの供述のみによって、甲を有罪とすることはできるかについての議論である。甲を有罪とすることはできるとの立場から発言する学生の人数は、後記1から5までのうちどれか。
【会話】
学生A:この場合に問題となるのは、共犯者の自由にいわゆる補強証拠が必要か、すなわち、憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項により、「本人の自白」を唯一の証拠として有罪とすることは許されず、補強証拠が必要とされるところ、この「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるかということですよね。
学生B:補強法則は、自由心証主義の例外ですから、条文の解釈は厳格に行うべきだと思います。
学生C:私は、自由偏重防止という観点から、本人の自白と共犯者の自白とで区別すべきではないと考えます。
学生D:私は、他に補強証拠がない場合に、自由した者が無罪となり、否認した者が有罪となるような非常識な結論を導く解釈を採ることは、許されないと思います。
学生A:自白した者が無罪となるのは、自白に補強証拠がないためであり、否認した者が有罪となるのは、共犯者の供述が信用できると判断された結果だから、別に不合理ではないでしょう。
学生B:共犯者の自由に対しては反対尋問ができるのだから、被告人本人の自由とは違いますよ。
学生C:誤判のおそれという観点からは、むしろ共犯者の自由の方が危険だということも考えるべきでしょう。
学生D:共犯者は、自己の刑事責任を免れ又は軽くするために、他人を巻き込んだり責任転嫁したりするような供述をする危険性がありますからね。
1. 0人 2. 1人 3. 2人 4. 3人 5. 4人
公式解答
3. 2人
正誤・解説
p1 /
この場合に問題となるのは、共犯者の自由にいわゆる補強証拠が必要か、すなわち、憲法第38条第3項、刑事訴訟法第319条第2項により、「本人の自白」を唯一の証拠として有罪とすることは許されず、補強証拠が必要とされるところ、この「本人の自白」に共犯者の自白も含まれるかということですよね。
共犯者の自白を「本人の自白」に含めるかという論点を提示しており、含まれないとする見解とは限らない。設問の有罪可否に反対する立場ではない。
根拠条文:日本国憲法38条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
日本国憲法38条第3項―現行条文本文
何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
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刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p2 /
補強法則は、自由心証主義の例外ですから、条文の解釈は厳格に行うべきだと思います。
解説では、補強法則を自由心証主義の例外とみて厳格解釈すべきとする見解は、被告人本人の自白に共犯者の自白は含まれない方向であり、有罪可とする立場ではない。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p3 /
私は、自由偏重防止という観点から、本人の自白と共犯者の自白とで区別すべきではないと考えます。
解説では、本人の自白と共犯者の自白を区別しない見解は、共犯者の自白も「本人の自白」に含まれるとして、有罪可とする立場ではない。
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刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p4 /
私は、他に補強証拠がない場合に、自由した者が無罪となり、否認した者が有罪となるような非常識な結論を導く解釈を採ることは、許されないと思います。
解説では、このような不合理を避ける解釈を採るのは、共犯者の自白を「本人の自白」に含めない立場であり、有罪可とする立場ではない。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p5 /
自白した者が無罪となるのは、自白に補強証拠がないためであり、否認した者が有罪となるのは、共犯者の供述が信用できると判断された結果だから、別に不合理ではないでしょう。
解説では、共犯者の供述は被告人本人とは別人の供述であり、信用性判断の結果として有罪とするのは不合理でないとして、有罪可の立場を示す。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p6 /
共犯者の自由に対しては反対尋問ができるのだから、被告人本人の自由とは違いますよ。
解説では、共犯者の自白でも被告人本人との関係では被告人以外の者の証人供述と本質は異ならないとして、有罪可とはいえない。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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p7 /
誤判のおそれという観点からは、むしろ共犯者の自由の方が危険だということも考えるべきでしょう。
解説では、共犯者は自己の責任回避のため他人を巻き込む危険があるので、むしろ共犯者の自白の方が危険だとして、有罪可の立場を支持しない。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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全体要旨
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