刑事訴訟法 第252問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H25 第30問
論点: 異議申立て・抗弁等
問題
問題画像

抽出問題文を表示
【事例】
検察官は、Vを被害者とする傷害罪により甲を起訴したが、凶器を特定することができなかったことから、起訴状には、「Vの足を刃物様の物で1回突き刺した」と記載し、裁判所においては、合議体で審理及び裁判をする旨の決定がなされた。検察官の起訴状朗読の後、弁護人は、裁判長に対し、「刃物様の物」がいかなる凶器であるのか検察官に釈明を求めるように申し立てたが、裁判長は、その必要がないと判断して釈明を求めなかった。証拠調べ手続において、検察官は、目撃者の供述を録取した検察官調書の証拠調べを請求したが、弁護人が同意しなかったことから、目撃者の証人尋問を請求し、裁判所もこれを取り調べる旨の決定をした。目撃者に対する主尋問においては、②検察官の尋問に対して弁護人が異議を申し立てることがあった。結局、目撃者は、記憶が減退してしまったとして検察官調書の記載内容と実質的に異なる供述をしたので、検察官が、検察官調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号に基づき証拠調べ請求した。③弁護人は、検察官調書における供述を信用すべき特別の事情がない旨意見を述べたが、裁判所は、検察官調書を取り調べる旨の決定をした。
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
ア /
下線部①につき、裁判長が釈明を求めなかったことについての異議申立ては、法令の違反があることを理由とする場合に限られる。
解説では、刑訴規則205条1項により、法309条1項の異議申立ては法令違反または相当でないことを理由にできるが、証拠調に関する決定は相当でないことを理由にできないとしている。裁判長の釈明拒否は「裁判長の処分」への異議であり、法令違反を理由とする場合に限られる。
根拠条文:刑事訴訟法309条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法309条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟規則205条第1項・e-Govを開く刑事訴訟規則205条第2項・e-Govを開く刑事訴訟規則205条・e-Govを開く
刑事訴訟法309条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人は、証拠調に関し異議を申し立てることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑事訴訟法309条第2項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人は、前項に規定する場合の外、裁判長の処分に対して異議を申し立てることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
イ /
下線部②につき、検察官の尋問に対する異議申立ては、法令の違反があることを理由とする場合に限られる。
解説では、検察官の尋問に対する異議申立ては「証拠調に関する決定」ではなく「証拠調」に関する異議申立てなので、法令違反だけでなく相当でないことを理由にすることもできるとしている。
ウ /
下線部②につき、裁判長は、弁護人の異議申立てに対して判断するに当たり、他の裁判官との協議を経る必要がない。
解説では、規則205条3により異議の申立てについては遅滞なく決定しなければならず、「決定」である以上、合議体では他の裁判官との協議が必要とされる。
エ /
下線部③につき、弁護人は、検察官調書の証拠調べをする決定に不服がある場合には、直ちに抗告する必要がある。
解説では、証拠調べに関するのは異議申立てによるべきであり、抗告ではないとしている。
オ /
下線部③につき、裁判所は、仮に検察官からの証拠調べ請求を却下する場合であっても、弁護人の意見を聴く必要がある。
解説では、刑訴規則190条1項・2項により、証拠調又は証拠調の請求の却下は決定で行い、その決定をする場合には、相手方又はその弁護人の意見を聴かなければならないとしている。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。