刑事訴訟法 第241問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H22 第33問
論点: 伝聞証拠と証人尋問
問題
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【事例】
被告人甲は、運転していた普通乗用自動車を歩行中のVに衝突させて傷害を負わせ、前方不注意の過失による自動車運転過失致傷罪で起訴された。第1回公判期日において、甲の弁護人は、事故直後に犯行現場で実施された実況見分に甲が立ち会ったことは争わないものの、前方不注意の過失の有無を争い、検察官から事前に開示されていた同実況見分に係る実況見分調書について不同意の意見を述べた。そこで、検察官は、その作成者である司法警察員Kの証人尋問を請求し、裁判所の採用決定を経て、次のとおりKの証人尋問を行った。
【Kの証人尋問】
検察官、証人は、本件当時、○○警察署交通課に警部補として勤務していましたね。
K、はい。
検察官、証人は、平成×年×月×日、本件犯行現場で現場の状況に関する実況見分を行いましたか。
K、はい。
検察官、証人は、実況見分の経過と結果を書面にしましたか。
K、はい。
検察官、(1)検察官請求に係るK作成の実況見分調書を示します。証人が作成した実況見分調書は、これですか。
K、(2)はい。この実況見分調書は、私が自分で作成したものに間違いありません。
検察官、実況見分調書に添付された現場の写真を示します。この写真は、証人が撮影しましたか。
K、(3)いいえ、私が、部下のL巡査部長に命じて撮影させました。
検察官、(4)その実況見分には、被告人を立ち会わせましたね。
K、はい。
検察官、実況見分の際、被告人は、何か言っていましたか。
K、確か、被告人がよそ見をしてしまったなどと言って、何度も繰り返して謝っていました。
(以下省略)
公式解答
1222
正誤・解説
1 /
(1)の尋問は、書面に関しその成立、同一性その他これに準ずる事項について証人を尋問する場合において必要があるときに該当するので、実況見分調書の証拠調べが未了であっても、同調書を示して尋問することができる。
規則199条1項は、書面の成立・同一性等について必要があるときは書面を示して証人尋問できるとする。本文でも、証拠調べ未了でも示して尋問可としている。
根拠条文:刑事訴訟法199条の10第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条の10第2項・e-Govで法令を開く
2 /
(2)の証言は、実況見分調書の作成者であるKが、公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときに該当するので、実況見分調書を証拠とするには、この証言で足りる。
実況見分調書を証拠とするには、作成者が真正作成を“内容の真正”まで供述する必要があるが、本文の証言は作成名義の真正にとどまるとしている。
根拠条文:刑事訴訟法321条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第3項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員の検証の結果を記載した書面は、その供述者が公判期日において証人として尋問を受け、その真正に作成されたものであることを供述したときは、第一項の規定にかかわらず、これを証拠とすることができる。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
3 /
(3)の証言によると、写真の撮影をKがしていないので、写真を証拠とするためには、撮影者であるL巡査部長を証人尋問して、事件との関連性を立証しなければならない。
写真は非供述証拠で、作成過程や撮影者の供述を必ず要するわけではない。本文も、撮影者に事件関連性を証言させる必要まではないとしている。
4 /
(4)の尋問は、主尋問における誘導尋問であるから許されない。
規則199条3項3項柱書は主尋問での誘導尋問を禁止するが、同2号に「訴訟関係人に争のないことが明らかな事項」があり、本文では被告人立会いは争いがないので許される。
根拠条文:刑事訴訟法199条の3第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条の3第3項第2号・e-Govで法令を開く
全体要旨
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