刑事訴訟法 第237問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H26 第32問
論点: 証人尋問
問題
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【事例】
Aは、平成26年2月3日、司法警察員から職務質問を受け、所持していた覚せい剤を発見されて逮捕された。Aは、同月12日、検察官による取調べにおいて、前記覚せい剤は知人甲から買った旨供述し、その旨記載された検察官調書が作成された。その後、甲に対する捜査が行われ、甲は、Aに対して前記覚せい剤を譲渡した事実で、同年3月2日に起訴されたが、公判において公訴事実を否認した。検察官は、甲の公判においてAの前記検察官調書の証拠調べを請求したが、弁護人が不同意の意見を述べたので、Aの証人尋問を請求し、次のとおりの証人尋問が実施された。
【Aの証人尋問】
検察官:(ア)あなたは、平成26年2月3日、所持していた覚せい剤を司法警察員に発見されたのですね。
A. はい。
検察官.あなたは、その覚せい剤をどうやって手に入れたのですか。
A. 路上で、見知らぬ人から買いました。
検察官:(イ)知人から買ったのではありませんか。
A. 知人から買ったものではありません。
検察官.あなたは、平成26年2月12日、検察官の取調べを受けた際、誰から覚せい剤を買ったと説明しましたか。
A. 覚えていません。
検察官:(ウ)あなたは、検察官に対し、「甲から覚せい剤を買った。」と説明したのではありませんか。
A. そのように述べたかもしれません。
(中略)
検察官.(エ)(検察官が、Aに、前記検察官調書の署名及び指印部分を示す。)これは、あなたの署名及び指印に間違いありませんか。
A. 間違いありません。
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
ア /
下線部(ア)の尋問方法は、誘導尋問に該当するが、甲及びその弁護人が争わないことが明らかであれば、許される。
規則199条3項3項柱書は主尋問での誘導尋問を禁じるが、同項2号は「訴訟関係人に争いのないことが明らかな事項」を例外としている。
根拠条文:刑事訴訟法199条の3第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条の3第3項第2号・e-Govで法令を開く
イ /
下線部(イ)の尋問方法は、甲が争う事項に関する誘導尋問に該当するから、許されない。
証人Aの前の供述と反する又は実質的に異なる供述をした場合の尋問に当たり、規則199条3項6号の例外として許されるとされている。
根拠条文:刑事訴訟法199条の3第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条の3第3項第6号・e-Govで法令を開く
ウ /
下線部(ウ)の尋問方法は、書面を朗読するものであるから、許されない。
これは証人に記憶を喚起させるための尋問として扱われ、規則199条3項4項の趣旨に反しないとされている。単なる書面朗読ではない。
エ /
下線部(エ)の尋問方法は、記憶を喚起するために供述を録取した書面を示すものであるから、許されない。
署名・指印部分を示して本人確認をする趣旨であり、記憶喚起のための供述録取書面提示ではないから、規則199条3項4項の禁止には当たらない。
根拠条文:刑事訴訟法199条の10第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法199条の11第1項・e-Govで法令を開く
オ /
検察官が、Aの前記検察官調書を刑事訴訟法第321条第1項第2号に基づき証拠調べ請求した場合、前記検察官調書は、公判でのAの証言よりも検察官の取調べにおける供述を信用すべき特別の事情が存在しなければ、証拠能力を有しない。
321条1項2号書面は、原則として公判供述より先行供述を信用すべき特別の事情が必要で、要件がなければ証拠能力を欠く。
根拠条文:刑事訴訟法321条第1項第2号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法321条第1項第2号―現行条文本文
二 検察官の面前における供述を録取した書面については、その供述者が死亡、精神若しくは身体の故障、所在不明若しくは国外にいるため公判準備若しくは公判期日において供述することができないとき、又は公判準備若しくは公判期日において前の供述と相反するか若しくは実質的に異なつた供述をしたとき。
ただし、公判準備又は公判期日における供述よりも前の供述を信用すべき特別の情況の存するときに限る。
刑事訴訟法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:55)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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