刑事訴訟法 第200問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第30問
論点: 冒頭手続
問題
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【事例】
裁判長「それでは開廷します。被告人は証言台の前に立ちなさい。」
裁判長「名前は何と言いますか。」
被告人「甲と言います。」
裁判長「本籍、住所はどこですか。」
被告人「本籍は、H市Ⅰ町1番です。住所も同じです。」
裁判長「職業は何ですか。」
被告人「無職です。」
裁判長「生年月日はいつですか。」
被告人「昭和30年1月1日です。」
裁判長「それでは、検察官、起訴状を朗読してください。」
検察官「公訴事実。被告人は、平成20年6月10日ころ、H市Ⅰ町1番被告人方において、Vに対し、殺意をもって、持っていたナイフでその胸部を突き刺し、よって、同日ころ、同所において、同人を胸部刺傷に基づく失血により死亡させて殺害したものである。罪名及び罰条。殺人、刑法第199条。」
裁判長「被告人には黙秘権という権利があります。被告人は終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができます。また、言いたいことを言うことができますが、この公判廷での被告人の陳述は、被告人にとって不利益な証拠とも利益な証拠ともなることを承知してください。」
裁判長「それでは、まず被告人に聞きますが、今、検察官が述べた内容に間違いありませんか。」
被告人「間違いありません。」
裁判長「弁護人、御意見はいかがですか。」
弁護人「被告人と同じです。」
裁判長「それでは、これで冒頭手続きを終わり、証拠調手続に入ります。」
公式解答
2. 1個
正誤・解説
ア /
①は、裁判長が、被告人として出頭している者が起訴状に表示された者と同一であるかどうかを確かめるために行った質問の一環であり、こうした人定質問を行うことは法は上要求している。
規則196条は、裁判長が起訴状朗読前に被告人に対し、その人違いでないことを確かめるのに足りる事項を問わなければならないと定める。人定質問は法定手続である。
根拠条文:刑事訴訟法196条・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法196条―現行条文本文
第百九十六条
検察官、検察事務官及び司法警察職員並びに弁護人その他職務上捜査に関係のある者は、被疑者その他の者の名誉を害しないように注意し、且つ、捜査の妨げとならないように注意しなければならない。
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イ /
②は、法令上、検察官が、裁判長の訴訟指揮に基づき、起訴状に記載された公訴事実を要約して告げる方法でも行うことができる。
規則291条1項は検察官による起訴状朗読を要求し、要約して告げる方法は認められない。他方、証拠書類の取調べでは別途、要旨告知が認められる場合がある。
根拠条文:刑事訴訟法291条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法203条の2・e-Govで法令を開く刑事訴訟法305条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法291条第5項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法291条第1項―現行条文本文
検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。
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刑事訴訟法305条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人の請求により、証拠書類の取調べをするについては、裁判長は、その取調べを請求した者にこれを朗読させなければならない。
ただし、裁判長は、自らこれを朗読し、又は陪席の裁判官若しくは裁判所書記官にこれを朗読させることができる。
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刑事訴訟法291条第5項―現行条文本文
裁判長は、第一項の起訴状の朗読が終わつた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
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ウ /
③は、裁判長が、被告人に対し、言いたいことを言うことができることや、公判廷での陳述が被告人にとって不利益な証拠とも利益な証拠ともなることを告げなくても、法令に違反するものではない。
規則291条5項と規則197条1項により、黙秘権の告知に加え、陳述機会の付与や不利益・利益いずれの証拠にもなり得る旨の告知が必要とされる。
根拠条文:刑事訴訟法291条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法291条第5項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法291条第1項―現行条文本文
検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。
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刑事訴訟法291条第5項―現行条文本文
裁判長は、第一項の起訴状の朗読が終わつた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
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刑事訴訟法197条第1項―現行条文本文
捜査については、その目的を達するため必要な取調べをすることができる。
ただし、強制の処分は、この法律に特別の定めのある場合でなければ、これをすることができない。
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エ /
④は、裁判長が、その訴訟指揮によって、弁護人の意見を確かめるために事実上行ったものであり、法令上要求されているものではない。
規則291条5項は、被告人への告知後、被告人及び弁護人に対し被告事件について陳述の機会を与えることを裁判長に要求している。弁護人の意見聴取は法定の手続である。
根拠条文:刑事訴訟法291条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法291条第5項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法291条第1項―現行条文本文
検察官は、まず、起訴状を朗読しなければならない。
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刑事訴訟法291条第5項―現行条文本文
裁判長は、第一項の起訴状の朗読が終わつた後、被告人に対し、終始沈黙し、又は個々の質問に対し陳述を拒むことができる旨その他裁判所の規則で定める被告人の権利を保護するため必要な事項を告げた上、被告人及び弁護人に対し、被告事件について陳述する機会を与えなければならない。
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