刑事訴訟法 第174問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H26 第30問
論点: 共同審理
問題
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【事例】
被告人Aと被告人Bは、共謀の上、A方で覚せい剤を所持したとの覚せい剤取締法違反に係る公訴事実で起訴された。公判廷では、Aは、Bと共に犯行に及んだことを認める旨の供述をしているが、Bは、自己の関与を否定する旨の供述をしている。検察官は、A方から押収された覚せい剤、同覚せい剤の鑑定書、A方の検索差押調書等の証拠調べを請求している。
【記述】
ア 本件では、被告人らの防御が互いに相反しているから、裁判所は、必ず弁論を分離しなければならない。
イ 前記覚せい剤の証拠調べ請求について、Aの弁護人は「異議なし」との意見を述べ、Bの弁護人は「関連性なし」との意見を述べた場合、裁判所はBとの関係でも同覚せい剤を証拠として採用し、取り調べることが許される。
ウ Aの弁護人だけでなく、Bの弁護人も、Aに対し、その供述を求めるための質問をすることができる。
エ Bについては、Aの公判廷における自由を根拠に有罪とされることがあるが、Aについては、Bとの共同所持の事実の補強証拠が取調べ請求されていないから、このままでは共同所持の事実で有罪とされることはない。
公式解答
3. 2個
正誤・解説
ア /
本件では、被告人らの防御が互いに相反しているから、裁判所は、必ず弁論を分離しなければならない。
共同被告人の防御が相反していても、直ちに弁論分離が必須となるわけではない。裁判所は、被告人の権利保護の必要性など具体的事情を踏まえて判断する。
根拠条文:刑事訴訟法313条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法210条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法313条第2項―現行条文本文
裁判所は、被告人の権利を保護するため必要があるときは、裁判所の規則の定めるところにより、決定を以て弁論を分離しなければならない。
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刑事訴訟法210条第1項―現行条文本文
検察官、検察事務官又は司法警察職員は、死刑又は無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たる罪を犯したことを疑うに足りる十分な理由がある場合で、急速を要し、裁判官の逮捕状を求めることができないときは、その理由を告げて被疑者を逮捕することができる。
この場合には、直ちに裁判官の逮捕状を求める手続をしなければならない。
逮捕状が発せられないときは、直ちに被疑者を釈放しなければならない。
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イ /
前記覚せい剤の証拠調べ請求について、Aの弁護人は「異議なし」との意見を述べ、Bの弁護人は「関連性なし」との意見を述べた場合、裁判所はBとの関係でも同覚せい剤を証拠として採用し、取り調べることが許される。
共同被告人ごとに証拠能力や関連性を判断する。B側で関連性がない以上、A側で異議がなくても、当然にBとの関係でも証拠採用できるわけではない。
ウ /
Aの弁護人だけでなく、Bの弁護人も、Aに対し、その供述を求めるための質問をすることができる。
共同審理では、陪席の裁判長等に対し、検察官・弁護人・共同被告人やその弁護人も、前項の供述を求める質問ができる。
根拠条文:刑事訴訟法311条第3項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法311条第3項―現行条文本文
陪席の裁判官、検察官、弁護人、共同被告人又はその弁護人は、裁判長に告げて、前項の供述を求めることができる。
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エ /
Bについては、Aの公判廷における自由を根拠に有罪とされることがあるが、Aについては、Bとの共同所持の事実の補強証拠が取調べ請求されていないから、このままでは共同所持の事実で有罪とされることはない。
公判廷での自白が有罪認定の根拠となることはあるが、共同所持の事実については補強証拠が必要であり、補強証拠の取調べ請求がなければこのままでは有罪認定できない。
根拠条文:刑事訴訟法319条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法319条第2項―現行条文本文
被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
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全体要旨
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