刑事訴訟法 第169問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H24 第36問(改)
論点: 被害者参加
問題
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ア.裁判所の許可を受けて証拠の取調べを請求すること
イ.被告人の更生可能性について述べた証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、裁判所の許可を受けて当該証人を尋問すること
ウ.裁判所の許可を受けて、犯行の動機について被告人に質問をすること
エ.裁判所に対し、強盗殺人罪の訴因への変更を請求すること
オ.検察官が拘禁刑15年が相当であるとの意見を述べた後、裁判所の許可を受けて、「本件被告事件については無期拘禁刑が相当である。」との意見を述べること
公式解答
2. ア エ
正誤・解説
p1 /
裁判所の許可を受けて証拠の取調べを請求すること
316条の33第1項は、被害者参加人等からの「証拠調べを請求すること」は認めていない。298条1項・2項も、被害者参加人に証拠調べ請求権までは与えていない。
根拠条文:刑事訴訟法316条の33第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法298条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法298条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法316条の33第1項―現行条文本文
裁判所は、次に掲げる罪に係る被告事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から、被告事件の手続への参加の申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、犯罪の性質、被告人との関係その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、決定で、当該被害者等又は当該被害者の法定代理人の被告事件の手続への参加を許すものとする。
一 故意の犯罪行為により人を死傷させた罪
二 刑法第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条、第二百十一条、第二百二十条又は第二百二十四条から第二百二十七条までの罪
三 前号に掲げる罪のほか、その犯罪行為にこれらの罪の犯罪行為を含む罪(第一号に掲げる罪を除く。)
四 自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律(平成二十五年法律第八十六号)第四条、第五条又は第六条第三項若しくは第四項の罪
五 第一号から第三号までに掲げる罪の未遂罪
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刑事訴訟法298条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人は、証拠調を請求することができる。
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刑事訴訟法298条第2項―現行条文本文
裁判所は、必要と認めるときは、職権で証拠調をすることができる。
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p2 /
被告人の更生可能性について述べた証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、裁判所の許可を受けて当該証人を尋問すること
316条の36第1項により、情状に関する事項について必要な尋問は許される。被告人の更生可能性は情状に関する事項であり、趣旨に合致する。
根拠条文:刑事訴訟法316条の36第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法316条の36第1項―現行条文本文
裁判所は、証人を尋問する場合において、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者がその証人を尋問することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、審理の状況、申出に係る尋問事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、情状に関する事項(犯罪事実に関するものを除く。)についての証人の供述の証明力を争うために必要な事項について、申出をした者がその証人を尋問することを許すものとする。
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p3 /
裁判所の許可を受けて、犯行の動機について被告人に質問をすること
316条の37第1項により、被告人の供述を求めるための質問が認められる。犯行の動機はその対象となり得る。
根拠条文:刑事訴訟法316条の37第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法311条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法316条の37第1項―現行条文本文
裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、その者が被告人に対して第三百十一条第二項の供述を求めるための質問を発することの申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士がこの法律の規定による意見の陳述をするために必要があると認める場合であつて、審理の状況、申出に係る質問をする事項の内容、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、申出をした者が被告人に対してその質問を発することを許すものとする。
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刑事訴訟法311条第2項―現行条文本文
被告人が任意に供述をする場合には、裁判長は、何時でも必要とする事項につき被告人の供述を求めることができる。
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p4 /
裁判所に対し、強盗殺人罪の訴因への変更を請求すること
316条の38第1項は、意見陳述を認める規定であって、訴因変更の請求権までは認めていない。訴因変更は検察官の請求が問題となる。
根拠条文:刑事訴訟法316条の38第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法312条第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法316条の38第1項―現行条文本文
裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、第二百九十三条第一項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。
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刑事訴訟法312条第1項―現行条文本文
裁判所は、検察官の請求があるときは、公訴事実の同一性を害しない限度において、起訴状に記載された訴因又は罰条の追加、撤回又は変更を許さなければならない。
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p5 /
検察官が拘禁刑15年が相当であるとの意見を述べた後、裁判所の許可を受けて、「本件被告事件については無期拘禁刑が相当である。」との意見を述べること
316条の38第1項により、事実及び法律の適用について意見を述べられる。量刑意見として「無期拘禁刑が相当」と述べることはこれに当たる。
根拠条文:刑事訴訟法316条の38第1項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法316条の38第1項―現行条文本文
裁判所は、被害者参加人又はその委託を受けた弁護士から、事実又は法律の適用について意見を陳述することの申出がある場合において、審理の状況、申出をした者の数その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、公判期日において、第二百九十三条第一項の規定による検察官の意見の陳述の後に、訴因として特定された事実の範囲内で、申出をした者がその意見を陳述することを許すものとする。
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