刑事訴訟法 第165問
教材: 刑事訴訟法②
司法試験 H23 第32問(改)
論点: 被害者の地位
問題
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公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
p1 /
裁判所は、不同意わいせつ罪に係る事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができるが、この場合において、被害者は、あらかじめ、検察官にこの申出をしなければならない。
290条2項1号は、裁判所が被害者特定事項を公開の法廷で明らかにしない決定をできる場合を定め、同条2項前段は申出先を検察官とする。
根拠条文:刑事訴訟法290条の2第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法290条の2第1項第1号・e-Govで法令を開く刑事訴訟法290条の2第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法290条の2第1項―現行条文本文
裁判所は、次に掲げる事件を取り扱う場合において、当該事件の被害者等若しくは当該被害者の法定代理人又はこれらの者から委託を受けた弁護士から申出があるときは、被告人又は弁護人の意見を聴き、相当と認めるときは、被害者特定事項(氏名及び住所その他の当該事件の被害者を特定させることとなる事項をいう。以下同じ。)を公開の法廷で明らかにしない旨の決定をすることができる。
一 刑法第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条、第百八十一条若しくは第百八十二条の罪、同法第二百二十五条若しくは第二百二十六条の二第三項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、同法第二百二十七条第一項(同法第二百二十五条又は第二百二十六条の二第三項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第三項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第二百四十一条第一項若しくは第三項の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件
二 児童福祉法第六十条第一項の罪若しくは同法第三十四条第一項第九号に係る同法第六十条第二項の罪、児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律第四条から第八条までの罪又は性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律第二条から第六条までの罪に係る事件
三 前二号に掲げる事件のほか、犯行の態様、被害の状況その他の事情により、被害者特定事項が公開の法廷で明らかにされることにより被害者等の名誉又は社会生活の平穏が著しく害されるおそれがあると認められる事件
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刑事訴訟法290条の2第1項第1号―現行条文本文
一 刑法第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条、第百八十一条若しくは第百八十二条の罪、同法第二百二十五条若しくは第二百二十六条の二第三項の罪(わいせつ又は結婚の目的に係る部分に限る。以下この号において同じ。)、同法第二百二十七条第一項(同法第二百二十五条又は第二百二十六条の二第三項の罪を犯した者を幇助する目的に係る部分に限る。)若しくは第三項(わいせつの目的に係る部分に限る。)の罪若しくは同法第二百四十一条第一項若しくは第三項の罪又はこれらの罪の未遂罪に係る事件
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刑事訴訟法290条の2第2項―現行条文本文
前項の申出は、あらかじめ、検察官にしなければならない。
この場合において、検察官は、意見を付して、これを裁判所に通知するものとする。
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p2 /
公開期日に、被害者の被害に関する心情その他の被害事件に関する意見の陳述がなされた場合、裁判所は、この陳述を犯罪事実の認定のための証拠とすることはできない。
292条2項1項は被害者参加の意見陳述について定め、同条9項でその陳述を犯罪事実認定の証拠とできないとする。
根拠条文:刑事訴訟法292条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法292条第9項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法292条第2項―現行条文本文
第二百九十二条
証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。
ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。
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刑事訴訟法292条第9項―現行条文本文
第二百九十二条
証拠調べは、第二百九十一条の手続が終つた後、これを行う。
ただし、次節第一款に定める公判前整理手続において争点及び証拠の整理のために行う手続については、この限りでない。
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p3 /
検察官は、検察官請求に係る証拠書類を弁護人に閲覧する機会を与えるに当たり、被害者特定事項が明らかにされることにより、被害者等の名誉が著しく害されるおそれがあると認めるときは、弁護人に対し、その旨を告げ、起訴状に記載された被害者特定事項を被告人に知らせないようにすることを求めることができる。
299条3項は、被害者特定事項を被告人に知らせないよう求められる場合を限定しているが、記述は要件や対象の整理がずれている。
根拠条文:刑事訴訟法299条第3項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法299条第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法271条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法299条第3項―現行条文本文
第二百九十九条
検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。
証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。
但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。
裁判所が職権で証拠調の決定をするについては、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴かなければならない。
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刑事訴訟法299条第1項―現行条文本文
検察官、被告人又は弁護人が証人、鑑定人、通訳人又は翻訳人の尋問を請求するについては、あらかじめ、相手方に対し、その氏名及び住居を知る機会を与えなければならない。
証拠書類又は証拠物の取調を請求するについては、あらかじめ、相手方にこれを閲覧する機会を与えなければならない。
但し、相手方に異議のないときは、この限りでない。
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刑事訴訟法271条第2項―現行条文本文
公訴の提起があつた日から二箇月以内に起訴状の謄本が送達されないときは、公訴の提起は、さかのぼつてその効力を失う。
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p4 /
ビデオリンク方式によった上で被害人から証人の状態を認識できなくする遮へい措置が採られても、映像と音声の送受信を通じてであり、被告人は、証人の供述を聞くことはでき、自ら尋問することもでき、弁護人による証人の供述態度等の観察は妨げられないのであるから、被告人の証人審問権は侵害されていない。
判例は、ビデオリンク方式でも映像・音声を通じて供述聴取や尋問ができ、証人審問権の侵害はないとする。
根拠条文:刑事訴訟法157条の4・e-Govで法令を開く日本国憲法37条第2項・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法157条の4―現行条文本文
第百五十七条の四
裁判所は、証人を尋問する場合において、証人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の供述中、証人に付き添わせることができる。
前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の供述中、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。
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日本国憲法37条第2項―現行条文本文
刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
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p5 /
証人の遮へい措置を採ることができるのは、不同意わいせつ等の性犯罪の被害者に限定されないが、ビデオリンク方式による証人尋問が認められるのは、性犯罪の被害者に限定されている。
証人の遮へい措置もビデオリンク方式も、いずれも性犯罪被害者に限定されず、他の要件の下で認められる。
根拠条文:刑事訴訟法157条の5第1項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法157条の5第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法157条の6第1項第3号・e-Govで法令を開く
刑事訴訟法157条の5第1項―現行条文本文
裁判所は、証人を尋問する場合において、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、証人が被告人の面前(次条第一項及び第二項に規定する方法による場合を含む。)において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認める場合であつて、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、被告人とその証人との間で、一方から又は相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。
ただし、被告人から証人の状態を認識することができないようにするための措置については、弁護人が出頭している場合に限り、採ることができる。
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刑事訴訟法157条の5第2項―現行条文本文
裁判所は、証人を尋問する場合において、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、名誉に対する影響その他の事情を考慮し、相当と認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、傍聴人とその証人との間で、相互に相手の状態を認識することができないようにするための措置を採ることができる。
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刑事訴訟法157条の6第1項第3号―現行条文本文
三 前二号に掲げる者のほか、犯罪の性質、証人の年齢、心身の状態、被告人との関係その他の事情により、裁判官及び訴訟関係人が証人を尋問するために在席する場所において供述するときは圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあると認められる者
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